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ー鼓動ー266
「まぁ、そうだろうな。 それで、本当に今日はどうするんだ?」
「また、その話かいな。 ま、ええけど、カラオケにも行ったし、ゲーセンにも行ったし、遊園地にも行ったしな……他に何かあるんかな?」
そう雄介はハンバーガーを食べ終えたのか腕を組んで考えてくれているようだ。
「あ! そうや! 東京見物にせぇへん?」
「だから、それは俺が分からないって」
「ほら、今はスマホにナビがあんねんやろ? せやから、とりあえず行きたいとこ検索してナビに従ったら行けるんと違う?」
「あ……そういう事か」
「それに俺等が東京に居てられるのもある意味、明日までやんか、明後日には島の方に帰らないといけない訳やしな」
「んじゃあ、そうするか? で、何処に行きたいんだ?」
「せやな?」
とまた雄介は腕を組み考え始める。
「まぁ、ベタな所で東京タワーか?」
「まぁ、東京で一番に思い浮かべる場所はそこなのかもしれないな」
「ほな、とりあえずそこでええか?」
「そうだな……俺も行った事ないし」
「ほな、調べてみるな」
そう言って雄介はスマホで検索を始める。
「あ、そうか……こっからやったら、こう行って、こう行って……こうやなー! オッケー! 大丈夫や!」
「んじゃあ、後は雄介に頼むわぁ」
「ホンマに望はこの場所に行った事ないん?」
「だってさ、行こうとも思った事がなかったしな。 それに、逆に近過ぎて行かないっていうのかな? いつでも行こうと思えば行けるから、行きたい! って思ってなかったしな」
「ぁあ! それはあるのかもしれへんなぁ。 俺もそんなに観光名所って行かへんかったし」
俺はハンバーガーを食べ終えると、
「じゃあ、いいか?」
「……って、まだ、早いんと違うの? それに……今時間やと電車っていうのはラッシュの時間帯でもあるみたいやしな」
「ラッシュ?」
「もしかしてラッシュも知らんのか?」
そう乗り出して聞いてくる雄介。
「あー、知らないのかもしれねぇな……だって、車の免許だって十八歳の時には取ってからな……渋滞は流石に知ってるけど、ラッシュは知らないのかも」
「それは、電車で人混みに」
「それは説明しなくても分かってるから大丈夫だ! ただ、巻き込まれた事がないって事を言ってんだよ」
「そっか……ほなら、もうちょいゆっくりしたから行こうなぁ」
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