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ー鼓動ー278

「その話を俺に振る事はねぇだろ? 雄介に聞けって」 「本当にそれでいいのか?」  と確認するかのように聞いてくる和也。 「あ、えーと……」  「あ……」っと気付いてしまった。  また墓穴を掘ってしまったような気がする。 「あー! もういいっ!!」 「望兄さんって分かりやすいよねぇ」  と朔望や歩夢までもクスクスとしている。  もう今の俺は俯く事しか出来なかった。  完全な墓穴みたいだからだ。 「じゃあ、雄介っ!! 望とどうだったんだよ」 「……って、先にそっちの話かいな……俺の方は心配してくれへんのか?」 「だってさ、何も連絡がなかったって事は大丈夫だった! って事だろ? それなら、別にそこは聞く必要ないじゃんか」 「あ、まぁ……確かにな。 まぁ、普通にって所かな?」 「普通にってなんだよ」  そう和也はソファから身を乗り出して雄介がいる方向を向き頬を膨らませている。 「普通にや……普通に。 ほんだったら和也達はどうやったん? 逆に俺等が居なくて気ぃ使わないでもヤれたんやろ?」 「あー、それねぇ」  そう今度自分にその話題を振られると和也はソファへとちゃんと座って語り始める。 「まぁ、一応、朔望達と決めて、ヤってもいいが、もし、患者が来た時には直ぐに対応出来るようにって事でな。 ヤったはヤったよ……勿論、朔望達の場合は雄介達より気使わないで遠慮なくっ! って感じだったかな? 寧ろ、朔望達は流石に雄介達の部屋でヤれる訳がないから俺達の部屋で合同でやったんだけどな」  その和也の言葉に俺が吹きそうになっていた。  ……ちょ、ちょ、マジ!? 「たまにはいいもんだよな? 違うカップルのを見ながらやるっていうのもさ……歩夢なんかすっげぇ! よさそうにしてたぜ。 勿論、俺等もな。 ま、患者さんが夜中には来なかったから良かったんだけどさ」 「……ってか、違うカップルのを見てヤってるといつも以上に興奮したって感じだったかな? 見られてるのと見てるのと両方って感じだったからね。 なんなら、今日、三組でヤっちゃう? もう一回位あの興奮を思い出してやりたいな!」  と朔望がそう言っているのだけど、当然、歩夢と裕実は、 「嫌ですっ!」 「そんな事は絶対にもう嫌だっ!!」  と抗議の声を上げていた。  当然、俺だってそんな事はしたくはない。  歩夢も裕実もナイス! と思った瞬間だった。 「へぇー、そんな事言うんだ。 歩夢だって、あの時が一番興奮してたんじゃないのか? だって、いつも以上にイってみたいだし……透明な液体も次から次へと溢れ出していたしね」 「それでも嫌だっ! って言ってんの」 「でも、興奮したのは確かだろ?」  その朔望の問いに歩夢は顔を俯け、 「た、確かにそれはそうだと思うんだけどっ! でも、恥ずかしいから二度としたくないんだからっ!!」 「フフ……ただ恥ずかしいだけだろ? そんな事してたら毎回恥ずかしい思いをしてるんじゃないのか? なら、いつもと一緒だと思うけどな」  その言葉に歩夢は黙ってしまっていた。 という事はそういう事だろう。  やっぱ朔望の方が年上っていうだけあって言葉も歩夢より一枚も二枚も上手なのかもしれない。

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