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ー至福ー18

『え? 兄さんと裕実さんって一緒にお風呂入れるの? ってか、先にお風呂に入って今日は念入りに洗って来る気なんだよねぇ』  そう突っ込まれて更に顔を真っ赤にする俺。  そしてテーブルを強く叩き裕実と一緒にダイニングを後にする。  その後の事、俺は知らない。 「もう! 和也達ったら本当にそういう事平気なんですよねぇ。 僕からしてみたら他人のなんて見たくない! って思うんですけど」  そう言う裕実というのは、俺に合わせて言ってくれているのか、それとも本当に自分の意見を言っているのか。 っていうのは未だに分からない所だ。 そう裕実っていうのは昔っからそういう奴だったのだから。  なんていうのか、やはり看護師なのだから頭の回転は早いというのか、人の気持ちのなるのが得意だからだろう。  そんな風にして俺に笑顔で振って来る裕実。 だけどもう俺達は親友なのだから疑心暗鬼になる必要はないのだから。  俺はそこに一旦息を吐くと、 「まぁ、俺も人のは見たくねぇかな? だから抜けて来たっていうのがあるんだけどさ。 きっと裕実も俺と同じ気持ちなんだろうと思って、お前の事もお風呂に誘ったんだけどな」  その俺の言葉に裕実は再び笑顔になって、 「流石、望さんですよねっ! 本当に今お風呂に誘って下さってありがとうございます!」  そう手をパンっと叩いてまでお礼を言って来るのだ。  やっぱり俺と裕実っていうのは同じ考えだったっていう事になるのであろう。 そこにホッとする。 「アイツ等……朔望達の見てんのかな?」 「きっと、そうだと思いますよ! もう! ホント、朔望さんもそういう時に電話に出なくてもいいのに! って思いましたもん」  と今度は頰を膨らませてまで言っている裕実に思わずクスリとしてしまっていた。 だってこう裕実とも一緒に住むようになってから、本当にコロコロと表情をこんなにも変える奴だっていうのを知ったのだから。 確か昔裕実っていうのは親から虐待を受けてて暗い人生を送って来ていたからなのか最初は暗い性格なんだろうなぁ。 と思っていたら、最近ではここまで成長したんだから、きっと和也のおかげでもあるんだろう。 そこにほっこりとする俺。  そんな事を話ししていると俺達は脱衣所へと着いていた。 「あ、風呂溜めるの忘れてたー」 「ま、仕方ないですよねぇ。 だって和也達のせいで、どうにかしてお風呂場に逃げて来る事しか考えてなかったんですから」  確かに裕実の言う通りだ。 ホントたまに裕実にはビックリさせられる時がある。

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