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ー至福ー74
確かに、その言い方だとどちらかっていうのは分かりにくい。 だけど俺的には満足したという意味だ。
「あー……満足した。 って事でなら大丈夫か?」
「そっか……望は満足したって事なぁ。 だけど、俺は……」
雄介はそう言うと今まで膝の上に俺を抱いていたのだけど、そのまま俺の事をベッドへと下ろし、
「満足出来てへんから、今日はとことん望に、望は俺のもんやって痕を付けたる」
「え? あ、うん……」
きっと雄介は今まで我慢してきたのであろう。 だから急に俺がオッケーを出してしまった事で急発進をしてしまったのかもしれない。
もう俺達っていうのは恋人になってから何十回と体を重ねて来ている。 その中で俺が痕をつける事を許可したのは一回もなかった筈だ。 本当に雄介は無意識のうちに俺に痕を残すような事はしてなくて、我慢してきたからこそ、今日はそれを許可した事で今までやれなかった事をやりたくて仕方がないのかもしれない。
だから俺の方も雄介がやりたいように許可したのだから。
本当に雄介は俺が嫌な事はしてこない。 そりゃ、許可すればしてくるのだけど。
優しい性格と言えば、本当に優しい性格の雄介。 だから俺は長年、雄介と付き合う事が出来たのであろう。
「雄介……それならさ、今日はトコトンやろうなぁ」
その俺の言葉で雄介は顔を上げ、俺と雄介は再び視線が合うのだ。
「フフ……望も言う時は言うようになったんやな」
「へ? あ、ああ……?」
雄介に普段言わないような事を言われて、何か逆に俺の方が調子狂ってしまうような気がする。 こうやって少しずつ前に言えなかった事を言えるようになって来たというのは逆に良い事なんだと俺は思う。 だって、それだけ相手に心を開いて来ているっていう事なのだから。 なら今日は俺の方も雄介に伝えたい事や言いたい事は言うようにしようかな。
クスリと微笑んだ後、雄介は今までの分とばかりに本当に今日は俺の体に痕を付けて来るのだ。 その度に俺の口からは甘い声が漏れる。 それが久しぶり過ぎてだったのか俺の方は思わず口を手で押さえてしまっていた。
ただただ雄介は俺にまだ痕を付けているだけなのに体はもう勝手にピクピクと反応してしまっている。 もうきっと雄介と体を重ねるっていうだけで俺の体は勝手に反応してしまっているという事だろう。 しかし俺の体というのはもう雄介でしか反応しないのかもしれない。
部屋内に雄介が俺の皮膚を吸い上げる音が響き俺の聴覚をも刺激して来る。 だからなのか俺のモノだって少しずつ反応して来ているっていう事だ。
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