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ー至福ー81

「あ、あのさ……その……シタの方もそろそろ……かな?」  そう俺の方は俺なりに頑張って言ってみた方だ。 流石にまだそういう言葉っていうのはハッキリとは言わなかったのだけど。  そんな俺に雄介の方はクスリとし、 「ありがとうな……望にそんだけ言ってもらえれば、俺の方は十分に伝わって来たし。 ホンマ、ありがとう……今日の望はこう俺に素直になってくれてるから、そういう事聞いてみたら、どんな反応してくれるかな? って思っただけだからな……」  そう雄介は申し訳無さそうに言って来る。 勿論、表情だって本当に本当に申し訳無さそうにしている。  そういや雄介ってそんな奴だったよな?  なんか、そこに急に俺の方が安心したのか俺は雄介の両頬を両手で包むと、 「なぁ、雄介……もうさ、俺に対して我慢なんかする必要なんて無いんだからな。 本当に自分がやりたいようにやっていいんだからな!」  そう俺は真剣に力強く雄介に言い聞かせるように言うのだ。 だけど雄介の方は、 「大丈夫だって……全くもって俺の方はお前に我慢なんてしてへんからな……。 寧ろ、いつもの俺が俺なんやしさ」  そう嘘偽りも無さそうな言い方と瞳と微笑み方に、俺の方は安心したのか雄介に向かって微笑むのだ。 「分かった……今の雄介を見てたら嘘じゃ無いって事が分かったよ。 雄介……俺はそんな雄介の事が好きなんだからな」  俺からの愛の言葉に一瞬目を丸くした雄介だったのだけど、直ぐに笑顔へと戻すと、 「ほな、下の方は焦らさんと、もうやって欲しいって事なんやろ?」  そうストレートに言って来る雄介に、流石の俺は顔を真っ赤にするのだ。 まだまだ、そういうワードに関して俺の方はストレートに言われてしまうと恥ずかしい。 「え? あ、まぁ……そういう事なんだけど、な……」  と、とりあえず返事しておく俺。  今日の俺は診療所が休みだけあってか、ジーパン姿だ。  俺が許可を出してから雄介は俺が履いているズボンに手を掛けたようで片手でジーパンのボタンを外しチャックを開ける音が聞こえて来る。  こういう行為というのは聴覚をも刺激するのも大事だ。 それにこういう行為で気持ち良くなれるのは人間だけなのだから気持ち良くなれるもんなら気持ち良く楽しんだ方がいい。 俺はそれを雄介に習ったのかもしれない。 「ホンマ、望のムスコさん……今日はもう限界っていう位にズボンの中でパンパンになってまってるなぁ」  あ、また……普段、雄介はあまり言わないような事を言っているような気がする。 寧ろ今日の雄介はいつも以上にお喋りをしている気がするのは気のせいであろうか。

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