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ー至福ー82

 それだけ今日の雄介も俺もお互いに心を開いているという事なんだろう。 そう考えるとさっき雄介と話し合いをしてみて良かったんだと思う。  そして雄介が下着の上から俺のモノへと触れて来る。  本当に今日の俺というのは、それだけでも声が出そうだ。 寧ろ触れた瞬間、詰まったような声が出てしまったのはいうまでもないだろう。  確かに俺は雄介の事が好きで今まで抱かれていた。 だけど今日という今日は二人共、完全に心まで通じ合えている状態だからなのか、いつも以上に体をも通じているのかもしれない。 「確かになぁ、望のも熱いねんけど……俺のやって、望並みに熱いねんで……」  そう言う雄介に今日の俺っていうのは、行動をしたくなったのか、 「なぁ、雄介……雄介のも俺に触れさせろよ……」  と何でだか言ってしまっていた。 「はぁ!? ちょ、ちょ、ちょー、それは……」  雄介はそう言って、気持ち顔を赤くすると俺から視線を逸らしてしまうのだ。  そんな可愛い姿を見て、俺の方は思わずクスリとしてしまっていた。 だってまさか雄介がそんな表情をするとは思ってなかったからなのかもしれない。 「え? いいじゃねぇか……だって、俺達は結婚するんだろ?」  だからなのか俺の方はちょっと調子に乗って、色っぽい瞳で雄介の事を見上げる。 「あ、いやなぁ……そ、そ、そういう事は、望にはやらせんでええって言うんかな?」 「疑問系なら、いいんじゃねぇのか?」  俺の方は雄介が言ってる事に関してどんどんと突っ込んでしまっている。 今日の俺っていうのはきっとそういう気分なんだろう。 そして雄介の顔へと近付けてまで言ってみるのだ。 「あー……そのなぁ……」  と何だかそうやって追い詰められてしまっている雄介の表情が段々と面白くなって来てしまっていた。 「あー……そのなぁ……俺……あ、あのなぁ……」  雄介はそう言いながら俺の肩を押すと、 「ちょ、ホンマ、俺的には、そういう事、望にやらすのはな、無理なんやって……」 「え? ちょ、なんでだよー……前に裕実と話した事があったんだけどさぁ、そういうのってやらせるの当たり前だって言ってたぜ」  この事については前から気になっていた事だ。 確かに最初の方はおふざけで雄介に聞いていたけど、段々と俺の方まで真剣になって来る。 「和也なんか、裕実に毎日のようにやらせてたって言ってたんだからな」 「あ、だけどなぁ……そこは、ほら人によって違うって事やろ? せやから、俺の方は望にそういう事やらせたくないねんって……」  それを聞いて俺の方は、 「ホント、雄介って、優しすぎっ! なんでだよー! 何で、こういう事してる時にお前に触れちゃいけねぇんだよ……」  と今度は俺の方が腕を組んで頰を膨らませてまで、そっぽを向いてしまう。

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