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ー至福ー105
「雄介が頭痛起こすなんて珍しいよな?」
そう言って俺は階下へと足を運ぶと、水と頭痛薬を持って部屋へと戻るのだ。
「とりあえずさ、頭痛薬飲んで寝たらいいんじゃねぇのか?」
「あ、ありがとうな。 せやな、最近、疲れておったから、急に頭が痛くなったのかもしれへんしなぁ……」
そう言って雄介は俺から持って来た、水と頭痛薬を受け取ると薬を飲み、横になる。
だけど本当に雄介が頭痛を起こすなんて事、本当に珍しい事だ。 だけど今雄介も言っていたのだけど、確かに、ここの所あまり休んでいるっていう感じがしないのだから、体が疲れていて休ませろと体が言っているのであろう。
暫くして雄介の方は寝息を立ててたのだから、痛みが取れて寝れたのかもしれない。
本当に頭が痛い時というのは、痛くて寝る事が出来ないのだから、きっとそうなのであろう。
それに普段から薬をしょっちゅう飲んでいる訳ではないのだから、逆に薬が直ぐに効いたのかもしれない。
俺の方はまだ今日は寝れる気がしなくて、両腕を頭の下に持って行って天井を見上げる。
本当に俺達というのは、毎日のように働いて来ている。 寧ろ島に来てからは気を張って仕事をしているのだから、脳が完全に休まっていないのかもしれない。 だから流石の雄介だって今日は疲れてしまい頭が痛くなったのであろう。
でも先週の一週間っていうのは、ゆっくりと休めた筈なのだけど、それでも何かが気がかりでやはり雄介の場合には休めていなかったっていう事なのであろうか。
しかし俺からしてみたら、まだ雄介に関しては気がかりな事が一つある。
雄介は一週間以上前に人を救助する為に海に潜っていたという事だ。 確かに雄介は助かったとは言っていた。 いや寧ろ今も俺の隣に居るのだから助かってはいるのだけど、だけど俺はそれが未だに気になっている。
一緒に病院に行って、確かに雄介の検査結果を見ても来たのだけど、だけどまだ俺の中で何かが引っかかっているような気がして仕方ないのだ。 多分、長年医者をやって来ての勘というものなのであろう。
あの時、雄介は海の中を彷徨い続けて気付いた時には砂浜に居たと言っていた。
という事は、一時期は意識を失っていたという事だろう。
人間、どれ位の時間、意識が無かったのかによって脳に色々と障害が出て来るもんだ。 現に俺だって脳に障害起きて記憶喪失になった事があるのだから。
とりあえず俺の方は暫く雄介の様子を伺っていた方がいいだろうと思い瞳を瞑る。
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