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ー至福ー114

「……で、雄介の方は本気で子供が欲しいんだな? 俺達の方はそれでいいって事なんだよな?」 「そこは、揺るぎない答えやで……。 ホンマ、俺的には全然子供は欲しいと思うとる事やしな。 ただ、代理出産か? 養子か? っていう話やろ? 本気で赤ちゃんから育てたいっていうんやったら、きっと代理出産の方やろうし、養子で預かるとしたら、小学生位からの方がいいだろうしなぁ? 俺的には赤ちゃんからがええねんけど? って軽い感じで言うとるけど、全くもって、俺の方はこの話については軽い気持ちでは考えておらんからな。 だってな、代理出産にしたって、その女性に俺等の子供をお腹の中で預かって貰う訳やし、養子にしたって、俺等だったら預ける事が出来ると思うて養子にさせてくれるんやからなぁ」  確かに雄介の言う通りだ。 だから今日は子供について俺等は真剣に話し合う事にしたのだから。  そう男性同士の場合、代理出産で子供を産む事が出来るとも後のニュース番組で言っていた。 代理出産してくれた女性と一緒でお腹に入れる重りとお腹の中で赤ちゃんが動く動作と連動するという事も言っていたのだ。  だけど代理出産の方は、本当に誰か女性に頼まないといけないのだから、同性婚に関して理解がある人じゃないとダメだろう。 「代理出産って簡単に言うけどさ、同性同士に理解がある人で代理出産を頼める人っているのか?」  俺は疑問に思った事を雄介に聞いてみる。 「……そう言われてみれば確かにそうやんなぁ? もし仮に女性の友達がおったとしても、そういう事って頼みにくいもんやしなぁ?」 「そだろ? そもそも、先ずはそこからだよな? 俺等に女性の友達だっていない訳だしよ」  そこから雄介の方も真剣に考えてくれているらしく、ずっと腕を組んだまま天井の方を向いたり、頭を俯けている。  俺だって雄介と同じ気持ちだ。 寧ろ、俺の方からその事については質問した位なのだから。  流石にウチの家庭はみな男兄弟で、しかもみんな同性カップルでいるのだから、女性はいない。  そこで思い出した事がある。 確かにウチの兄弟は全員男性だけど、雄介の所はお姉さんだった筈だ。 「な、雄介……もし、代理出産の方で子供を育てるのならさ……」  俺はこの事について言うかどうか迷った。  そりゃそうだろう。 本当に子供を生むっていうのはかなりリスクがあるからだ。 しかも生む時というのは本当にリスクというのが伴う事が多い。 子供を生んで亡くなってしまう人だっているのだから。 だから例え代理出産だとしても、そう簡単に頼める訳ではないという事だろう。

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