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ー至福ー113

「確かに、雄介の言う通りだな。 今よく考えてみてたんだけど、子供を養子として育てるとしても、代理出産で育てるとしても、子供を育てるっていうのは生半可な気持ちで育てようと思ってはいけないっていう事なんだよな」  その意見に一瞬また注目が集まったように感じたけど、それは一瞬でなくなり、寧ろ今度は和也の方が、 「まったく、望の言う通りだな。 子供を育てるって、ホント、生半可な気持ちではダメだっていう事だもんな。 少なくとも親という責任というのがあるんだからさ」 「そうなんだよなぁ。 確かに、前に雄介の甥っ子を預かった事はあったけど、あん時は特に確かに預かっているという責任みたいなのはあったけどさ、こう親としての責任みたいなのはなかったような気がするんだよな?」 「ま、そういう事だな。 だから、今回の場合にはちゃんと子供を育てる義務みたいなのもあるし、親としての責任みたいなのもあるし、マジで真剣にそこの所は考えないとダメっていうのか、これは大事な所だと思うんだよな。 ただ単純に『子供が欲しいから』では無いと思うんだよ」  その和也の意見に俺の方も納得だ。 「そういやなぁ、前に琉斗に聞いた事があったんやけど、生まれる前っていうのはなぁ、雲の上に居て、ある時期になったら、自分でお母さんを探すんやって、そんで、そこにいる神様に頼んでそのお母さんの所に行かせて貰う。 って言うてたで、だから子供って神様からの預かりもんでもあるし、子供はお母さんを選んで来る。 っていう事やんなぁ?」 「……へ? そうなのか?」  俺はその雄介の話に興味を持ったのか、雄介は隣に座っているのに、雄介の事を思わず見上げてしまっていた。  それに気付いた雄介は俺に向かって微笑んでくれて、その後も話を続けてくれるのだ。 「今はこう簡単に琉斗に聞いた事を言ったけど、生まれる前の記憶を持ってる子っていうのは実際に居るらしいで。 とりあえず、子供っていうのは親を選んで来るらしいから、そこはマジ真剣に考えた方がええのかもな。 ほな、とりあえず和也達は子供はどうするん? ま、とりあえず俺等の場合には、養子に貰うか? 誰かに代理出産を頼むか? になると思うねんけどなぁ」  それを聞いて俺の方も考え始める。  赤ちゃんから子供を育てたいのなら、代理出産の方だろう。 でも俺達の歳を考えるなら、養子という選択肢もある。 「なぁ、雄介なら、どっちがいいんだ?」 「そやなぁ?」  ここからはある意味、それぞれのカップル同士で話し合った方がいいだろうと思った俺は、本当に真剣な瞳で雄介の事を見上げ、話し合いを始める。  すると和也達は俺達からちょっと離れた所にあるソファで話し合いを始めたようだ。

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