その日は俺と雄介、裕実と和也とそれぞれ部屋へと戻る俺達。 　俺と雄介はベッドに入って電気を消して、もう明日に備える為に目を瞑ろうとしていたのだが、 「なぁ、雄介……あのさ、まだ、雄介のお姉さんとは話ちゃんと終わってないんだろ？」 「え？　あ、まぁな……」 「やっぱさ、そこもちゃんと話し付けないとダメなんじゃねぇのかな？　じゃなきゃ、俺達約一ヶ月後には東京に完全に行かないとなんだし……なんていうのかな？　ちゃんと雄介のお姉さんに代理出産を頼んだ上で、一ヶ月後からの東京での生活をした方がいいと思うんだよな」 「って、事はやで、一回、また朔望達に島に来てもらう事にするんか？」 「あー、流石になぁ、なんかなぁ？　前回の時は雄介を東京にある病院に連れて行きたかったから、なんか頼めたけど、今回の事に関しては完全な俺達のわがままで東京に行くのだから、流石に頼みづらいのかもな……それに、突然だったし、診療所の方は閉められなかったしさ」 　そこまで言うと雄介が突然、 「あ、あー！　それやっ！」 「はぁ！？」 　俺の方はその雄介の言葉に裏声を上げる。 「だからやなぁ、もう、今回の一週間に関しては事前に診療所の方を閉めるっていう事でええんと違うの？　毎回来てくれてる患者さんに関しては事前に言える訳やし、それで、次回の診察っていうのは、約二週間後にしたったらええやんかぁ。　んで、今回の一週間に関しては診療所の方を完全休みにして、今回は裕実も和也も東京に向かわせたらええと違うの？」 「あ！　そういう事なぁ」 　と俺の方はその雄介の意見に納得する。 　確かにそれでいいのかもしれない。　和也達の方はあまり東京の方に戻っていないのだから、たまには息抜きも必要だからだ。　その一週間和也達には息抜きに使って貰って、俺達は俺達で美里にしっかりと頼み込んで、きっちりと一ヶ月後には東京に向かえるようにしといた方がいいだろう。 　その方が、しっかりとこれからの事について向き合う事が出来るのだから。 　先ず始めのハードルは面と向かって美里を説得しないと前に進む事は出来ないのだから。 　そこの所については雄介は真剣だ。　だから今回美里とちゃんと話し合おうとしているのだから。 「じゃあ、また、和也達にそれを話したらいいんだな？」 「ん？　あ、まぁ……そういう事やんなぁ」 　そう言っていた雄介なのだが、何だか急に今日は俺の方に体と顔を向けて、俺の体を抱き締めて来る。 「ん？」 　甘えた声なのだか返事をしたのだか分からないのだが、その雄介の行動に俺はそんな声を出してしまっていたのだ。 　雄介の方は、今俺に甘えたいくらい疲れているのかもしれない。