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ー至福ー207
「ホンマ、もう……っ! 望っ! ええからっ!」
いよいよ切羽詰まったような感じで言っているような気がするのは気のせいであろうか。
そんな声が上がって来たという事は、簡単に言えば、「イきたい」のであろうが、今日の俺はそんな事は関係ないという事だ。
いつも雄介は俺のモノの先端部分から出る白い液を飲んでいるのだから、俺にだって飲む権利みたいなのはあるという事だろう。 いや寧ろ今日は飲んでみたいと思っているのが俺だ。
好きになった相手なのだから、別に害がある訳でも無い訳だし、それに毎回雄介はそれを飲んでいるのだから俺が飲んだって問題は無いという事だろう。
だけど雄介は俺がそれを飲むのを拒否したがる。
そこは何でだか未だによく分からない所だ。
そういつか和也か裕実が言っていたように思える。 あ、裕実の方だったのかもしれない。
そう和也の場合、体を重ねるっていう禁欲生活を一回送った事があって、そん時に裕実には抜いて貰ってもいた事があったような事を言っていたのだから。 当然、その時、裕実は和也の白い液体を飲んだという事だろう。
だがしかし雄介の場合には、あんまり俺にそんな事をさせてくれた事が無いのに、本当に雄介のその白い液体は俺に飲ませてくれた事が無いように思える。 確かに雄介のモノを口に含む事さえ回数は少ないのに、白い液体を飲む方が多いとおかしな話ではあるのだが。
「ちょ、ホンマ、たんま……」
そう言って雄介は俺の頭を押し返そうとしたのだけど、そこは軽く押しただけで辞めてしまう。
そうそこはもう雄介の性格上、強くは押せないという感じだからだろう。
きっと今雄介の心の中で物凄い葛藤が生まれているのかもしれない。
俺にその行為を辞めて欲しくて、頭を押したいのだけど、そんな強く押してしまうと自分達の関係が崩れてしまうかもしれないし望に逆に拒否されたと思われるのも嫌だけど、このままでは望に白い液体を飲ませてしまう事も嫌だという事をだ。
本当に雄介って優しすぎるんだと思う。 それに今までも大事にされて来た俺。
何で、今までそんな雄介に気付かなかったのであろうか。
そこはきっと俺からしてみたら恋愛経験不足だからなのかもしれない。
もし俺が恋愛経験が豊富な人間だったらもっと早くに雄介の優しさとかっていう気持ちに気付いていたのであろう。
でも今からでも俺から雄介の対する気持ちというのは伝えられるのかもしれないと思った俺は、とりあえず雄介をイかせる為に、雄介のモノを口に含んで先端部分を一生懸命舐めるだけだ。
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