538 / 855
ー未知ー33
きっと独占欲だけで雄介の事を止めようとしているのではなく、やはりこういう行為に最近目覚めたからと言ってもおかしくはないのかもしれない。
本当にダメだ……最近は、性欲をセーブする事が出来なくなって来ているのかもしれない。 確か、一週間前にもシたようにも思えるからだ。
それにもう雄介とは散々話をしてきて、結婚もする事にもなっている。 だからなのか逆に俺の体というのはセーブ出来てないのかもしれない。
婚約とか結婚とかしてない恋人の時だったら、人間っていうのは、どうにかセーブする事は出来たのかもしれないけど、今はもうセーブする事が出来ない体になってしまったようにも思える。
「ほな、今日は望に任すな……」
そう雄介の方も甘い声で言って来ていた。 きっと雄介の方もそういう気分だからなのであろう。
だけど本当にどうしたらいいのか? っていうのは未だによく分からないでいる俺。
さっき雄介の唇に唇を重ねたのだから、次は雄介の体を舐めたらいいのであろうか。
そう自分の心に聞いてみる俺。
今の俺はバスローブを着たまま、雄介のお腹の上に座っている状態だ。 雄介の方も勿論バスローブを着ていて少し前がはだけている姿だって雄介の場合には大人の色気みたいなのがあった。
はだけた隙間から見える雄介の素肌。 昔は消防士をしていたから、訓練やなんやで太陽に当たってて健康的で気持ち的に色黒ぽかったけど、今も色黒な所を見ると、元々地黒な肌の色をしているのであろう。 そこから見える素肌はまだお風呂から上がったばかりなのか、薄っすらと汗が滲んでいるようにも見える。 ホテルの薄明るい照明でも反射してその汗が光って見えているのだから。
それに吸い込まれるように、俺はもう少しだけ雄介が着ているバスローブの前を両方へと開き、手を雄介の胸やお腹へと這わせてみる。
そういつも雄介がやってくれるように優しく撫で回すように触れるのだ。
するとたったそれだけでも雄介の体が少しピクリとしたようにも思える。
「雄介……気持ちいい?」
何だか今日の俺っていうのは、甘く艶っぽい声で雄介にそう言ってしまっていた。
「え? あ、まぁ……な……」
そう視線を逸らして答える雄介。 そんな雄介の方が気まずそうにしているのは気のせいであろうか。 それともいつもは俺の事を舐めたり触れたりとしているのだから、それで雄介の方が感じてしまっている事に恥ずかしさで視線を逸らしてしまっているということなのであろうか。
そこの所は雄介じゃないと分からないところだ。
「雄介……バスローブ脱いで……」
「……へ?!」
その俺の言葉を聞いて、目を丸くしながら俺の方へと視線を向けて来る。 その雄介の反応が新鮮に感じるからなのか、それとも俺の方も新鮮に感じているからなのか、胸の鼓動が既に早くなって来たようにも思える。
ともだちにシェアしよう!