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ー未知ー34
たまには俺からの命令っていうのも新鮮なような気がする。 カップルでこういう事をしているとマンネリ化すると言われているのだからある意味、今回はいいきっかけなのかもしれない。
「え? あー、服脱いでってなぁ……バスローブの紐外したらええのか?」
「あ、ああ……それでいい……」
自分から脱いで行くのと、人に命令されて脱いで行くのでは気持ち的に違うような気がする。 きっと人に命令されて服を脱ぐのは気持ち的に恥ずかしいのだから。
だけど今日の雄介は本当に俺の言う事を聞いてくれているようで、気持ち的に半身を起こすと、バスローブの紐を外して行くのだ。
「こ、これで、ええか?」
バスローブの紐を解くとベッドへと完全に体を預ける雄介。
「あ、ああ……それでいいから……」
紐を外してと言った俺の方が急に恥ずかしくなってしまったようにも思える。 そうバスローブをはだけさせた事で、完全に雄介の胸やお腹まで見えるようになってしまったのだから。
しかし本当に雄介の場合のは毎日のように鍛えているのであろう。 相変わらず引き締まった体をしているのだから。 胸筋だって腹筋だって体に浮き出る程に付いていた。
本当にこういう事をし慣れてない俺は実はここからもうどうしたらいいのか。 っていうのが分からない。
雄介の体を舐めたらいいのか。 雄介の体に触れて行ったらいいのか。
そこで悩んでいると、急に雄介が俺の両腕を掴んで来て、
「も、ええか? なんか、俺が下っていうのが、性に合わない気がして来てな……」
そう言いながら、雄介は俺の体と自分の体の位置をチェンジしてしまうのだ。
「はぁ!? ちょ……!! 待って……」
「もう、遅いって……」
俺の上へといつものようになった雄介。 その体には今のチェンジの瞬間にバスローブの方は完全に脱げてしまったのであろう。 雄介の素肌にはもうバスローブはなかった。 完全に生まれたままの姿でいる雄介。 こうマジマジと雄介のその姿見を見たのはある意味初めての事なのかもしれない。
そう俺の場合にはついついこういう行為の時は恥ずかしくて目を瞑ってしまう癖がある。 だからこう雄介のその姿というのはまともに見た事がなかったということだ。
再び俺の鼓動が早く波打ち始める。
雄介のそんな姿を見て鼓動が早くなってしまったのか、やはりこれから起こる事を体は知っているからなのか。 っていうのは分からないのだけど……。
さっき抗議の声を上げてしまっていた俺なんだけど、何だか雄介の顔を艶っぽい瞳で見つめてしまっていたのかもしれない。
いや雄介の顔はハッキリ言って俺からすると見えてはいない。 眼鏡が無いっていうのもあるのだけど、完全に雄介の顔が照明で逆光にもなっているからだ。
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