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ー未知ー37

 本当に雄介の顔が俺の目の前にある。 俺の方は全然今の雄介の表情っていうのは、目が悪くて見えてぼやけてでしか見えてないのだけど、俺が雄介の事を引き寄せたのだなから目の前にいるのは分かっている。  しかし本当にこんなにも人が愛おしいと思った事なんてあっただろうか。 それだけ俺からしてみたら雄介っていう人間は魅力があるっていう事なのであろう。  本当に俺が心から好きになった人物。 だからなのか甘えたくなったり、色々な事を言えたりするのであろう。  もう俺の方も雄介の方も隠し事みたいなのはないと思う。  そう考えながら、俺は気付いた時には黙ったまま雄介の事を抱き締めていたようだ。 だけど雄介の方は黙ったまま俺に抱き締められていたという事だ。  本当に雄介という人間は優しい。  俺が黙ってしまっていてもこうして黙って待っていてくれるのだから。 何だかもう雄介ならいいやと思えてしまう。 それだけ雄介だって俺には我慢して来たのだから、そろそろ我儘な事をさせてもいいのかもしれない。 だからなのか今日の俺は、 「今日はお前がしたい事してもいいぞ……」  と言ってみる。 「したい事!? って何? どういう意味!?」  と本当に分からないような様子の雄介にこっちが面食らいそうになる。 「あんなぁ……いつもシてるようにじゃなくて、ちょっと意地悪な事をしてみたり、何ていうのか……いつもとは違うというのか、変わった感じでっていう事かな?」  流石の俺もその言葉をストレートに言える訳もなく、何処か恥ずかしい言葉なのだから、俺の口からは直接言う事は出来ずに言うのだが、雄介は何か考えているのか、視線を天井の方へと向けていた。  そんな雄介に、俺の方は目を座らせ、 「今の俺の言葉でピンって来ねぇのかよ……」 「へ? あ、ああ……まぁ……」  そう嘘偽りもなく答えている所からすると、雄介の場合には本当に今俺が言った意味が分かってないようにも思える。  そこに軽く息を吐くと、 「……たく。 そこは、ホント、雄介らしいよな。 ってつくづく思うぜ。 お前って、確かに、そういう奴だよなぁ」  そう言って俺の方はゆっくりと雄介の下から抜け出すのだ。 「マジで分からないんだったら、今日はやっぱ俺がリードしたいかも……」  俺の方は雄介の下から抜け出した後、再び雄介の事をベッドへと押し倒すのだった。 「……え? 何?!」 「だから、今日は俺がリードするって言ってんの……ってかさ、マジでいつも同じじゃマンネリ化するっていうのよく聞かねぇか? ま、だから、今日はそういう事で……」  俺の方もそういう事に関しては口にはしたくはない。 だからなのか、かなりオブラートに包んで雄介に伝えるのだ。

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