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ー未知ー57

 段々と俺の鼓動と体中を巡る血液がドクドクと波打って来る。 勿論、ムスコさんもだ。  確かにさっきから波打ってはいたのだけど、何だか更にと思うのは気のせいであろうか。  こう段々と体が快感から抜け出したいと思っているようなのだけど、今の俺というのは完全に雄介に手首を押さえられてしまっているのだから、全くもってそこから逃げられる感じはしない。 足ももじもじとしてくる。  何で今日の雄介はそんなにも意地悪なんであろうか。 いつもだったら、きっともう胸の突起だって、俺のムスコさんだって触れてくれている筈なのに。 優しくて丁寧なやり方というのが確かに雄介のやり方なのかもしれないのだけど、それでも今日は本当になかなか先に進んでくれない雄介にホント焦ったくなってくる。  雄介の舌はお腹や胸の突起の周りを這っていくものの、本当に今日は一番感じる胸の突起やムスコさんの方には触れてくれないという感じだ。 「んんっ!」  そう言って気付いた時には、体全体を動かしてしまっていた。 「ん? 何?!」  と雄介の方は今の俺の行動に何だか惚けているようにも思える。  本当に今日の雄介っていうのは焦ったい。  だからなのか俺の方は涙目で雄介に向かって小さな声ではあったのだけど、 「……ばかぁっ!」  と言ってしまっていた。  その言葉が雄介に届いていたのか。 っていうのは分からないのだけど、こう何かクスリとしていたような気がする。 「……どうしたん?」  なんて白々しく聞いて来るのは気のせいであろうか。  そんな雄介に俺の方は睨みあげるのだが、そんな俺の行動が雄介からしてみたら可愛くて仕方がなかったのか、再び雄介の事をクスリとさせるだけだったようだ。 「お、お前なぁ……そろそろ……」  そこまで言ったのはいいのだが、やはり俺の場合にはその後が続かない。 だからなのか俺はそこで息と共に体から力を抜いてしまうのだ。  改めて思う。 やはり自分はこういう行為の時に何も言えないっていう事をだ。  いや人間として当たり前な事なのかもしれない。 こういう行為をしているからこそ、そんな恥ずかしい事というのは言えないのだから。 言える人間もいるのかもしれないのだけど、俺としては言えない部分だからだ。  いやしかし、物足りないと人間っていうのはイけそうでイけないもんなんだと改めて感じる。  確かに今日はもうさっきイったばっかりなのだけど、雄介のその焦ったさもあってか、ムスコさんは再び勃ち始めてきている状態なのだから。 もう少しで完全に勃つのに、雄介がこう焦ったくやるもんだからムスコさんだって完全に勃って来ない感じもこれまた気持ち悪い状態でもある。

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