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ー未知ー96
そこは普通に心臓の鼓動っていうのは早く波打っているのだから。
確かにこういう行為をしているのだから、体は興奮状態でもあるし、雄介が近くにいるっていうだけで俺の方はドキドキとしているのだから。
寧ろ雄介と居ると、毎日がドキドキしているのかもしれない。
本当に俺の方は雄介の事が好きだから、ずっと鼓動が早く波打っている事が多い。 そんな事ではきっと体は保たなくなりそうだ。 そう毎日のように雄介の前でドキドキとしていたら、ランニングしているのと同じ位鼓動の動きが早かったら、寿命っていうのは直ぐに来てしまいそうだ。
でも、本当に大袈裟に言って、雄介といると毎日毎日が鼓動が早くなってしまう日々でもある。 本当にこういう毎日で寿命が短くなってしまうのであれば、別に構わないと思ってしまう。 だって、それは毎日がこんなにも充実してて幸せだからだ。
俺は思いっきり息を吐くと、雄介の肩へと腕を回し、
「もう、俺、雄介の前では、何個心臓があっても足りないくらいだわぁ……」
その言葉に雄介は目を点にして見つめて来る。
「だからさ……」
俺の方も雄介の顔を真剣な目で見て、
「……いつまでも、俺は雄介の事が好きだからだよ」
一応、俺の方は雄介に伝わるように真剣な瞳で雄介の事を見つめながら言ったものの、顔は真っ赤になっていただろう。
こんなにも素面の状態で真剣に相手の顔を見て告白なんかした事がなかった俺。 だけどこれで相手に俺の事が本気で伝わったのかもしれない。
そんな言葉を言うと雄介の方は笑顔になって、
「ホンマ、真剣に言うてくれて、ありがとうな……。 俺の方も望ん事、本気で好きやから……」
そう本当に雄介の方はいとも簡単に愛の言葉を言って来るのだ。
雄介の場合には、もう何回も何回も愛の言葉というのは述べて来ているのだから、雄介からしてみたら、わりと簡単に言えるのかもしれない。 だけど俺の場合には本当に簡単に言える言葉ではなく、恥ずかし過ぎて本当は顔から火が出る位なのだから。
そして雄介っていうのは、空気というのも読めるのであろう。 先ず、そういう事に関して茶化すことはないし、腰を動かすっていう事もしないのだから。
本当は男なのだから、中に挿れたなら腰を動かしたいもんだろう。 だけど雄介の場合には動かして来ないのだから。
もしかしたら雄介の場合、俺が許可を出さなければ、腰を動かすっていう事はしないのかもしれない。
本当にこういう行為に関して心も体も余裕が出来たということなのであろう。 だから雄介の場合には動かさずにいられるという事だ。
「も、動かしていいから……」
そう思った俺は、雄介に許可を出す。
「ホンマにええんか?」
そう未だに心配そうな表情で俺の事を見つめて来る雄介。
「大丈夫だって、言ってんだろ……。 こういう風に中途半端な方が、俺もお前も苦しいんじゃないのか?」
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