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ー未知ー154
そして雄介は急に気持ちを切り替えたようで、
「ほなら、望の中にこの玩具いれてくなぁ……」
そう言って、あまり見たこともないような玩具を手にしていた雄介。
ま、俺があまり玩具を見てないのは当然なのであろう。 こういう行為の時には殆ど目を瞑ってしまっているのだから。
「これにはなぁ、大小バラバラに球が付いておってな、入れる時にはフツーに気持ちええねんのかもしれへんけど……どうやら、出す時に気持ちええっていうのをネットかなんかで見た事があったような気がするわぁ……」
と何でか説明つきで言って来る雄介。
俺の心の中では「そういうのはいいから……」と言いたくはなるのだけど、今日の雄介の気持ちを考えると、息を静かに吐き落ち着かせるのだ。
「ほな、入れてってええかぁ?」
そう優しく俺に聞いて来る雄介は、いつもと変わらない雄介なのかもしれない。
雄介の心の奥底は本当に俺の事を想っているからこそ、口から聞こえて来る言葉っていうのは優しく聞こえて来る。 それと半分は心配している様子にも聞こえて来るのだから。
その玩具を俺の中に入れるのも、ゆっくりで丁寧だ。
確かに今日の体勢からでは俺の位置からその玩具が俺の中へと入っていくのが見える。 それは俺からしてみたら恥ずかしいことなのだけど、それでも今日の雄介はやりたいことなのだから耐えることが出来るといことだろう。
その大小球の付いた玩具は、一つ一つゆっくりと俺の中へと埋められていく。
とその時、急に電話のコール音が聞こえて来るのだ。
せっかく二人の甘い気分が台無しだ。 と思いながらも、このコール音は俺のじゃないと思うと、どうやら雄介のスマホが鳴っていたらしい。
一体、こんな時間に誰なんであろうか。
俺はそこに深い息を吐きながら、雄介がその電話に出るのを視線だけで追っていると、
「あー、和也か? 今時間にどないしたん?」
と何でか普通に和也からの電話に出ている雄介。
今俺達はこういう事をしているのだから、和也の電話になんか出る必要はないと思うのだが、何でか今日の雄介は出てしまっていたようだ。
雄介の電話はベッドの側にある机の上に置いてあったのだから、ある意味、雄介は俺の側に居るという事だ。
しかし玩具を俺の中へと入れて、めちゃくちゃ中途半端な場所で止めてある。 しかも俺の方は足を高々と上げられて、お腹の方へと膝が来ているという状態だ。 そう若干苦しい体勢でもあるのだから。
早く電話を切ってくれと、思う一方で話の内容も少しは気になる所だ。 それにこんな時間に和也達から電話が掛かってくるのも珍しい。
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