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ー閃光ー17
「これで、琉斗と姉貴も、これから仲良くしていけそうやなっ!」
そう嬉しそうに笑顔で言ってくる雄介。
「え? まぁ……ああ、そうだといいな……」
今の俺にはそれしか言えない。
そうだ、むしろこれからのことについてはっきりとは言えないのだから。
一瞬、雄介は俺の言葉に首を傾げたようだが、きっとその意味を分かってもらえたのだろう。すぐにいつもの雄介に戻っていた。
そして再びキッチンに立つ雄介。
「ほな、今日の夕飯は何にする?」
なんだかさっき食べたような気がするが、確かに今の時間は既に陽が完全に傾いているので、もう夕飯の支度をする時間だろう。
そう、俺にはそういった時間感覚がないような気がする。
俺は春坂病院で働いているせいか、体内時計が完全に狂ってしまっているのかもしれない。食事の時間なんて本当にあってないようなもので、朝昼晩と空いている時間にしか食べられないからかもしれない。そのせいで、食べない時間もあり、完全に俺の胃は小さくなってしまっているのだろう。
「あ、そっか……もう、そんな時間だったのか?」
「あー、まぁ……そやなぁ。もう五時過ぎてるしな……。ま、望の場合、毎日のようにご飯が不規則だから、お腹とか空かへんのかもしれへんけど……食べられる時にはちゃんと食べておいた方がええねんで……」
「あ、ああ……そうだな……」
雄介に気持ち的に注意を受けながらも納得してしまう。
「あー、まぁ……雄介が作ってくれた料理だったら、何でもいいんだけどな」
「何でも、ええかぁ……ほんなら、豚汁でええ?」
「え? あ、ああ……」
雄介はそう言いながら、冷蔵庫や野菜庫を見ているようだ。
そう言っておきながら材料がなかったら意味がなくなってしまうからだろう。
「よしっ! 思った通りに材料あったから、今日は豚汁なっ!」
きっと半分は独り言だったのかもしれないが、半分は俺に言っていたのだろう。
雄介がご飯を作っている間、俺はリビングテーブルから見えるテレビの方へと視線を向けていた。
確かに雄介と会話をしていてもいいのだが、今は特に雄介に振るような話題がなかったからかもしれない。
別に話題がなくなったわけではない。たまにはこうして話さない時もあるだけだ。
今では雄介と俺は、会話がなくても、お互いにいるだけで安心する時もある。そして、何か話したいことがあれば話すという感じなのだから。
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