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ー閃光ー19

「ふーん……そうなんだな……」  と、俺はあまり興味なさそうに返事をしていると、そんな俺に雄介は気付いたようで、 「ま、望はあんまり料理作らへんから、そこら辺のことは分からんのかもな……それとも、やっぱり作らんから興味ないとかか?」  雄介はそう言いながら、火を消して出来た料理をリビングテーブルへと運んでくる。 「今日は豚汁にしたわぁ……」  だから何だか懐かしく感じたのかもしれない。  豚汁っていうのは、各家庭によって味とか具材が違うもんだ。  だけど、きっと基本的な材料っていうのはどこも変わりないだろう。  実際、雄介が作ってきた豚汁の中身は俺の家とあまり変わらなかったのだから。  大根とにんじん、玉ねぎ、豚肉、ごぼうが中に入っていた。  それと、だし巻き卵とご飯にあえ物だから、今日は和食風にしたのだろう。 「今日は和食なんだな」  何だか俺はそういうのが懐かしかったのか、嬉しそうな表情をしていたのかもしれない。 「まぁな……俺が急に豚汁食いたくなって、それで今日の食事はこういう風になってしまったんやけどな」  どうやら、その言い方だと、自分のわがままで料理が決まってしまったことに対して、謝っているのだろうか。 「なぁ? 雄介は何で、こう悪いって気持ちになってしまうんだ? むしろ、俺の方が雄介には感謝したい気持ちなのによ……。だって、毎日のようにお前は料理してくれて美味しいものを作ってくれるだろ? なら、お前が謝る必要なんてないんじゃねぇか?」  そう、俺は最近疑問に思ったことを雄介に打ち明けるようにしている。心から言えるっていうのは、逆に言えばそれだけお互いを信じているってことだから。  俺たちは結婚している。なら、もっとこれからは隠し事なしでいきたいと思っているから余計にそう思うのだ。  それに、雄介がこんな風に優しくなったのは、小さい頃に何かあったからなのかもしれない。  子供の性格っていうのは、きっと親によって変わるところもあるのだろう。 「なぁ、雄介……俺たちは結婚したんだから、こういう遠慮みたいなのはしなくてもいいと思うぞ。それに、俺たちは結婚する前に何年も付き合ってきたんだからな。俺だって、お前の性格は十分に分かってるさ……。だから、もう自分を出してもいいんじゃねぇのか? 確かに他人だから『親しき仲にも礼儀あり』っていうのはあるのかもしれないけどさ……。流石にそこら辺は、雄介のことだから弁えているだろうしな」  今、俺は雄介と対面で座ってご飯を食べながら話をしている。二人でいる時には、いつも対面でご飯を食べているからだ。

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