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ー閃光ー128
俺がそう思っていると、和也が、
「俺が言うのも変なんだけどさ……どっちかが、風呂に入ってきたらどうだ? あー……」
と天井へと視線を向けた直後、ふざけながらだったのだが、
「あー、そうそう! フフフ……お前たちの場合は、結婚してるんだから、一緒にお風呂に入ってきたらどうだ?」
その和也の言葉に、俺の方は呆れる。
「だって、そこはさっきみんなと話しただろ? 俺の裸を雄介が見ちまったら、やっぱ男なんだから欲情する可能性が高い訳で、抱きたくなっちまうんじゃねぇのか?」
そう、俺は和也にだけ聞こえる風に言うのだ。
そう言うと、和也の方は背筋を伸ばして、
「あー、まぁ……そっか……言われてみれば、そうだよなぁ……確かに、それはまずいもんなぁ……。せっかくみんなで話し合ってそう決めたんだから、雄介が望に欲情しちまったんじゃ意味ねぇもんなぁ……」
どうやら和也は納得してくれたようだ。ホッとすると、和也が、
「なぁ、雄介……風呂に入ってこいよ……」
「え? あ、はい!」
と和也の言葉にそう返す雄介。
そこで、俺の方はとりあえずホッとし、雄介は立ち上がって自分のパジャマ類を手にすると、お風呂場へと向かうのだ。
そんな雄介に、ここにいた全員が息を吐いたのは言うまでもないだろう。
本当に見た目は完全に雄介なのだけど、中身の方は記憶のない雄介なので、全くの別人に思えてしまう。
一瞬ため息を吐いて頭を抱えていると、今度は和也が俺の座っている席の隣りへと座ってきて、
「本当に今の雄介は記憶喪失だったんだな」
と改めて口にする。
「え? あ、ああ……まぁな……」
「俺は望ので一回知ってるけど、本当、記憶喪失ってさ……別人に思えるよなぁ? 目の前に雄介はいるのに、中身は全く違う人物に思えてしまうんだからさ。だって、今の雄介って全くもって前とは違う人物に思えてしまうんだもんさ……そりゃ、望が混乱する訳だよな?」
「ホント、そうですよー。僕もあんな雄介さんを初めて見ましたからね。いつもの雄介さんだったら、望さん想いで素敵な人ですからー……」
「だよなぁ……俺もそこはそう思うよ……。別に記憶のない雄介だって、望想いだとは思うんだけどさ……マジ、望のことをそういう風に見てるとは思ってなかったっていうのかな?」
「ホント、本当に! そこですよ! 僕もそう思いましたもん。逆に言えば、そこが雄介さんらしくないっていうんでしょうか?」
そうして、和也と裕実は今の雄介の印象を語りだすのだ。
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