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ー閃光ー132
そして次気付いた時には、天井がお風呂の天井ではなく、蛍光灯の灯りで俺は目が覚める。
目の前では、和也と裕実がうちわで俺の体をあおいでいる姿が入って来た。
「あ……」
「おっ! 気付いたみたいで良かったわぁ……」
と和也のホッとしたような声が聞こえて来た。その後すぐに裕実の声が聞こえて来て、
「本当ですよ……。望さん、大丈夫ですか?」
裕実は和也との会話を終えて、直ぐに俺の方へと視線を向けると、そう聞いて来る。
「え? あ、ああ……?」
だが今の俺はまだこの状況を飲み込めていない。
一体、この俺に何があったのであろうか。
俺は少しずつ半身を起こすと、次に視界に入って来たのは、朔望と歩夢だった。
心の中で、『お前達も?』と思いながら、半身を少しずつ起こすと、俺の体には既にパジャマが着せられていたのだ。
「本当に、もう起きても大丈夫なのか? 頭とかふらつかねぇ?」
そう心配そうに聞いて来るのは、やはり和也だ。
本当に普段の和也というのは、おふざけばかりしているのだから、俺が倒れた時にはこうも心配してくれるということだろう。 いや和也だからこそ一番に俺のことを心配してくれているのかもしれない。 それと元から和也という人間は看護師なのだから、そういった優しい言葉が直ぐに出て来るのであろう。
そしてさりげなく何かあってもいいようにと和也は直ぐの俺の体を支えられるようにと背中を支えてくれているようだ。
「え? あ、俺の方は大丈夫だと思うんだけど……? だけど、俺、一体どうしちまったんだ?」
「さぁな……そこまでは、分からないんだけど……裕実がさ、『望さん、お風呂から出て来るの遅くありません?』って言うから、俺と裕実で様子見に行ったら、お風呂場の壁に寄りかかって、完全に瞳を閉じてしまったいるお前を見掛けたから、裕実と二人で、望をお風呂場から出して来たっていうだけだよ」
「多分、だけど……お風呂から兄さんのこと上らせて、暫く涼ませていたら回復して来たっていうことは、熱中症だと思うけどね」
と和也の後に続いて言って来たのは朔望だ。
「あ……!」
そこで俺の方は思いっきり、大きな声を上げてしまう。
そう今の二人の言葉で思い当たる節があったからだ。
確かに体の中から急に火照って来て、自分のムスコさんも勃ってきて、更に体中が熱くなって来てしまっていて、気付いた時にはお風呂場の床に座り込んでしまっていたのだから。
「あ、そっか……」
そう変に一人納得してしまう俺。
「とりあえず、水分摂って下さいね」
そう優しく笑顔で言って来てくれるのは裕実だ。 しかもコップにスポーツ飲料水を入れて手を出して来てくれている。
「あ、ああ……ありがとうな……」
そう笑顔で返す俺なのだが、何だか、朔望が俺の顔を見てニヤニヤとしているのは気のせいであろうか。
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