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ー閃光ー147

 いつか懐かしい昔の思い出。俺がこうやって職員用玄関から和也と一緒に出てきた時、駐車場の方から手を振ってくる人物がいたことを思い出した。  その時はもちろん雄介だったのだけど、今回はどうやら違うようだ。  俺に向けて手を振ってきているのは、和也だった。だけどその隣には雄介もいる。そう、雄介は誰よりも背が高いのだから。  その光景に、一瞬俺はドキリとする。  これがデジャブ的な感覚というのだろうか。  いや、今ちょうど昔の思い出と被ったから、そう感じただけかもしれない。  一旦その話を自分の中にしまい込み、今一度雄介たちの方へ視線を向ける。 「どうしてここに?」  俺は疑問に思ったことを素直に聞いてみた。 「まぁ、雄介の記憶を戻すために、昔やっていたことを俺がサポートしながら繰り返してるって言ったらいいか?」 「あ! そういうことなぁ……」  独り言のように呟くと、 「え? でも……今は車がないだろ?」 「まぁ……そこはなぁ……だって、雄介はよく望のことを歩いてとか走ってとか迎えに来てたんだろ?」 「あー……」  またも呟くように納得する俺。 「とりあえず、今日は一日、雄介と懐かしい場所に行ったりしてたんだよ。河原の土手を一緒に歩いたりしてな」  本当に和也の行動力には驚かされる。  俺のこれまでの生活の中では、こんな発想は全く浮かばなかったのだから。  記憶喪失の人間というのは、いつもと同じことをすると、ふとした拍子に思い出すことがある――そう聞いたことがある。和也はそれを実行してくれていたということなのだろう。 「ま、でも……何も思い出すことはなかったんだけどな……」 「あ、そうか……。あー、そこは、ま、いいや……とりあえず、今日は疲れただろうから、車で帰ろうぜ」  今日の俺は、わりと素直な気持ちでそう言えたようだ。  ただの気紛れなのか、それとも雄介のおかげで、心を許した相手には素直になれるようになってきたのかはわからない。けれど、以前よりも和也に自然に接している自分がいる。  一昔前の俺だったら、こんなふうに素直に言葉を口にすることなんてなかった。  しかし、今日はそこに裕実の姿は無かった。  そのことが気になり、俺は和也に尋ねた。 「あれ? 裕実は?」 「裕実は美里さんのサポートをしてもらってるよ。雄介の方は俺が担当した方がいいと思ってな。なんていうのかなぁ? きっと俺より、女性は裕実みたいな人の方が安心できるだろ?」  その和也の言葉に、俺は吹き出しそうになる。確かに和也の言う通りだ。  見た目にも、和也より裕実の方が、女性の扱いが上手そうだし、安心感があるからなのだろう。

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