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ー閃光ー169

 なんだかんだ考えているうちに、車は病院の駐車場に着いていた。  そこで今一度息を吐く俺。  今日、既に何回ため息をついているだろうか。  私生活は忙しいが、仕事は待ってくれない。俺は車を降り、自分と美潮がいる部屋に向かい、仕事の準備を始める。  以前は和也がこの部屋で一緒に仕事をしていたが、今は美潮という人物と仕事をしている。美潮は仕事ができるが、今時の子だからか、何も考えていないというか、ただ仕事をこなしていればいいと思っているようだ。プライベートで一緒にいたくないタイプかもしれない。  和也と比べてはいけないとは思うが、ついつい和也を基準に見てしまう自分がいる。  まぁ、俺には雄介がいるんだ。こうして付き纏われても困るってのはあるが。 「おはようございます、吉良先生……」  部屋に入ると、今までソファに座っていた美潮が立ち上がり、挨拶をしてきた。 「あ、ああ……おはよう……」  俺は簡単に挨拶を返し、そのままロッカールームへ消える。  別に、俺から美潮に話すこともないからだろう。  これが和也だったら、少しくだらない話でもするか、和也が勝手に裕実との惚気話を始めるんだが。  しかし、美潮が何を考えているのか全く分からない。最近の若者は人との関係が希薄なように思える。  俺が若かった頃は携帯なんてなく、直接言葉で話すことが多かった。しかし、今の若い人たちは、気づいた時にはもう携帯を持ち、メールでコミュニケーションをとっていた。どうやら、携帯がないと生きていけないらしい。  友達とファミレスに行っても、会話を楽しむのではなく、お互いに携帯をいじっているくらいだ。だから、コミュニケーションが苦手なのかもしれない。  俺にはその感覚が分からない。  そう考えると、同じ時代を生きた和也もあまり携帯をいじっていなかったように思う。  携帯が身近になった世代といえば、歩夢の時代だろうか。  確かに携帯は便利になったが、ゲームやSNSのツールは必要なかったように思う。それらのせいで、人との会話やコミュニケーションが減ってしまったのだから。  美潮とご飯に行っても、ずっと携帯をいじっていて会話にならない気がする。だから食事に誘わないのかもしれない。  目の前に人がいるのだから、会話しながら食事を楽しむのが本来のはずなのに、今の携帯世代はその楽しみを知らないようだ。

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