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ー閃光ー178
その和也の言葉に、一瞬黙ってしまったのは美潮の方だった。
そんな美潮に対し、和也はますます余裕ありげな表情を浮かべている。
「心から話せる……し、親友いましたからっ!」
口ごもる様子から察するに、美潮にはどうやらそういった友達がいないのだろう。それに、その言葉には自信が感じられない。
和也に押されっぱなしの美潮の様子に、思わず笑いそうになったが、心の中で笑うにとどめた。
しかし、和也という人間は本当に人を見抜く力があるというのか。たった数分美潮と話をしただけで、美潮を問い詰めてしまうのだから、その洞察力には相変わらず驚かされる。
「それに、望がお前に何も話さない理由も分かったしな……ま、いいんじゃねぇ? 別にお前は望の仕事でのパートナーってことでな。ま、仕事でのパートナーっていうのも怪しいけど……」
和也は一旦話を区切り、こちらを見てくる。
「とりあえず、仕事しないとだろ?」
そう言われ、俺も慌てて返す。
「あ、ああ……そうだったな。ってか、お前、久しぶりに春坂病院で仕事することになるんだけど、本当に今のシステムとか分かってるのか?」
「……へ? 何か変わったところでもあるのか?」
「あー、いや……まぁ、特別変わったっていうところはないけどさ。島での診療所とは違うかな? ってところ? ほら、島での診療所はさ、アナログっていう感じだったけど、今の春坂病院はほとんどがデジタル化してるからさ」
「あ、そういうことなぁー。寧ろ、昔っから春坂病院はそうじゃねぇ?」
「ま、そうだけどな……んじゃ、とりあえず行きますかぁー」
そう言いながら、俺たちは診察室へと向かった。
美潮の場合、仕事に関しては全く問題がないのだから、ベテラン二人はいらないとも言える。だが、今日は和也が来てくれたのだから、それはそれで悪くないだろう。
ただ、本当に美里と雄介のことを裕実一人に任せておいて大丈夫なのだろうか。その点は気になるものの、今は自分の仕事を優先しなければならない。そう考えつつ、診察室へと足を運んだ。
それから数時間後の夕方。診察が終わり、俺と美潮、和也の三人は病院内にある自分たちの部屋へと向かう。
俺が先を歩き、その後ろで和也と美潮が言い合っていた。
「って、何でお前は俺の邪魔するわけ!?」
「梅沢さんだって、何で僕の邪魔するんですか!?」
本当に、この二人は全く合わないらしい。あまりの様子に、俺も思わずため息をつきたくなる。
さすがに仕事中はこうした言い合いはなかったものの、仕事が終わった途端に二人の口げんかが始まった。
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