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ー閃光ー180
「和也も、今日はありがとうな……」
俺の感謝の言葉に、和也は目を丸くして俺の方を見上げてくる。
その様子に気づいた俺は、少し顔を赤くしながらも、
「な、なんだよ……俺がお礼言っちゃ悪いのかよ……」
「あ、いいや……ただ、俺からしてみたら、望からお礼を言うなんて珍しいなぁって思っただけ」
「え? あ、そうだったっけ?」
そう答えながら、俺はなぜか和也から視線を逸らしてしまう。
「だってさ、前までの望ってそんな感じじゃなかっただろ? いつも、ツンツンしちゃってたしさ……」
「え? あー、そうだったっけ?」
「そうだったのー!」
和也は若干頬を膨らませながらそう言う。
「まぁ……そこは、雄介のおかげで変われたのかもな……。俺じゃ、きっと望の性格を変えることは出来なかっただろうしさ……そこはそれで、いいんじゃねぇの?」
そう言いながら、和也は思いっきりソファの背もたれに体を預ける。
本当に、和也の言う通りなのかもしれない。
数年前の俺だったら、人に感謝の気持ちなんて伝えることさえできなかったのだから。こんなに簡単に感謝の言葉が自分の口から出てくるなんて、思いもしなかった。
そんな風に考えていると、和也は笑顔を向けてくる。
本当に和也は、昔から変わらない奴だと思う。
ここ数ヶ月、和也と離れていたけど、離れて初めて気づくこともある。一緒にいる間には見えなかったことも、距離があったからこそ分かったのだ。
そんな話をしていると、ロッカールームから着替えを終えた美潮が出てくる。そして、
「お疲れ様ー!」
と言いながら部屋を出て行く。その姿を見て、俺は簡単に、
「お疲れ様ー」
とだけ返す。
すると、和也が急に笑い始める。
「……へ? 何笑ってんだ?」
「え? だってさ、マジで、美潮と望の関係って、仕事だけのパートナーなんだなぁって思ってな。プライベートのこととか話したりしないんだなぁ」
「そこは、別にいいじゃねぇか……だって、アイツにはプライベートのことなんか話したくねぇしな……」
俺はそう言いながら、再び机に向かう。
どうやら俺はまだ、和也の前では素直に振る舞えないらしい。
「だから、アイツは俺たちの関係について知らなかったんだろ?」
「まぁ、そういうことなんだけどな……」
そう言ってふと気づくと、和也は俺が座っている椅子の背後に立っていて、俺の肩に腕を回してきた。
「望は、そんなにアイツのことが嫌いなわけ?!」
「べ、別に……嫌いじゃないんだけどさ……好きにもなれないってことかな?」
「いや、違うって……無意識に嫌ってるんじゃねぇかなぁ? だってさ、プライベートのことさえ話したことがねぇんだろ? だったら、嫌いに決まってんじゃんかよー」
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