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ー閃光ー196
そこに俺が反応しないわけがないだろう。
何でだか雄介は、この家での防災グッズの在処を知っていると言っていたのだから。
記憶喪失で今まで記憶に関しては何も分からなかったはずなのに、どういうわけか防災グッズの在処を知っていると述べていた。
そして、一瞬雄介がダイニングから姿を消す。
首を傾げる俺だったが、すぐに雄介は俺たちがいるダイニングへ戻って来たのだ。
「防災グッズって、コレのことですよねぇ?」
そう言って雄介が持ってきたのは、紛れもなく防災グッズだった。
俺は雄介に近付き、
「これは、どこに置いてあったんだ? 俺、この防災グッズが置いてある場所、知らなかったんだけど……。それは、確か、雄介がしまっておいたんだったよな?」
俺の質問に首を傾げる雄介。
「え? でも……何ででしょう?」
今度は逆に質問されてしまった。
その姿に、真面目に聞いていたはずの俺が思わず吹き出してしまう。
本当に今の雄介は記憶喪失なんだと、再び思い知らされた瞬間だったのかもしれない。
とりあえず、雄介が記憶喪失である件は置いておいて、防災グッズの中身を出し、必要なものを探すことにする。
今は停電だけなのだから、懐中電灯や蝋燭あたりがあればいいだろう。
そこで気になったのは夕飯の料理だ。
俺と和也は何だかんだで帰るのが遅くなってしまったため、状況は把握していなかった。
そして、やっと落ち着いてきた頃、思い出されたのは美里のことだった。美里たちは無事だったのだろうか。
「裕実……料理の方は?」
軽く裕実に尋ねてみる。
「料理ですか? 大丈夫ですよ、出来てますから……」
俺の質問が悪かったのだろう。それだけでは、そう答えるのが妥当だ。
「あー、料理は出来てるとして、食べられる状況なのか?」
「あ!」
それと同時に裕実は両手を叩く。俺が質問を変えたことで、聞きたいことを理解してくれたのだろう。
「それはですね……温めるだけですから、そこは大丈夫ですよ」
「なら、懐中電灯くらいあれば出来るかな?」
「ですね」
そう言うと、俺は裕実に懐中電灯を渡した。
「後は、和也……美里さんのところに行って様子を見てくるか? 電話してくれないか?」
「あ! そうだったな!」
俺の言葉で美里の存在を思い出したのか、和也も両手を合わせて叩き、まず美里に電話をかけているようだった。
そこで俺は雄介の方に視線を向ける。
「この防災グッズ、どこに置いてあったんだ?」
本当にごく普通の質問だ。雄介はどう答えてくれるのだろうか。
「あー、これは、家のドアを開けてすぐ左にある部屋の近くに置いてあったんですよ」
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