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番外編 夜が明けてから誰が抱く? 2
蒼空のことをまじまじと眺めてみる。確かにこいつは、華奢で小柄な壱星とは違って見た目からして男らしいし挿れる側なのか……?いや、そんなこと言ったら俺だって……。
「おい。何ジロジロ見てんだよ」
蒼空は笑いながら低い声を出した。
「智暁、まさかアイツのこと思い出してたんじゃないだろうな?」
アイツっていうのは壱星のことだろう。
「はぁ?思い出してねーよ。今お前にそう言われるまではな」
「ほんとかよ。やめろよな。俺、比べられんの嫌だから」
「比べねーよ。この負けず嫌い」
蒼空がこちらに身を乗り出してくる。
「ってかさ、どうなの、智暁は。前はお前が……タチ?だったのかも知れないけど……そういうの抜きにしたら、俺に抱かれんのもアリなわけ?」
頬に手を添えられ真っ直ぐ見つめられて、ドキドキと心臓が強く脈打ち始める。
アリかも知れない……。
「それは、その……」
「俺はナシだから。智暁に抱かれる想像なんてしたことない。俺が智暁のこと気持ちよくしたい」
そう言われた途端、さっき浮かんでいた考えが打ち消される。
「は?そんなの俺だってそうだし。俺だって蒼空のこと抱きたい。そういう風にしか考えたことないんだけど」
俺の顔を撫でていた蒼空の手首を掴む。
「じゃあ、勝負するか」
「どうやって?」
「……先にイカせた方が勝ちで」
◇◇◇
寝室に移動して布団を敷いて、蒼空は仰向けに寝転んだ。
「ほんとにこの体勢でいいの?」
「……いいよ。お前こそこれでいいの?」
俺は蒼空の脚を跨いで膝立ちになると、少し楽しそうに口元を緩める顔を見下ろした。やけに余裕そうだけど、俺の方が有利に決まっている。上になったほうが好きに動けるし、その気になれば身体の自由も封じられる。
蒼空は何もわかってないんだろう。
「どこまで脱ぐ?」
「下だけでいいだろ」
「ルールは?」
「蒼空が決めていいよ」
「……じゃあ、特になしで。先にイカせたら勝ち」
そう言いながらズボンのベルトを外し始める蒼空を見て、俺もジーパンを脱ぐ。パンツに手を掛けた時、一瞬ためらってしまったが、弱気になってると思われたくなくて一気にそれも脱ぎ捨てた。
「……おぉ」
「なんだよ、見たことあるだろ」
「勃起してんのは初めて」
幼馴染と、普段のように会話しながら性的なことをするのがこんなにも恥ずかしいことだとは知らなかった。
「じゃあ、始めるから」
「うん。逃げんなよ、智暁」
「はぁ?何でッ……」
いきなり陰茎を掴まれて思わず声が裏返るが、俺も負けじと蒼空のそれを握り締める。
ゆっくりと上下に擦りながら、どうしても自分のモノや壱星のモノと比べてしまう。太さは俺のとそんなに変わらないけど、思ったより長くてカリが張っていて、少し上向きに反っている。もしも、万が一、この勝負に負けたら、こんなものが俺の中に……。
「はは、智暁。すげぇ、ガチガチだな」
「……だ、黙ってやれよ」
「そんなルールないけど?」
「うっせぇな」
その負けず嫌いな口をキスで塞ぐ。
右手で蒼空を扱きながら、お互いの中心が触れ合わないよう体を少し傾けて枕元に左肘をつく。蒼空のキスは甘いような味がする。その甘さを味わうように、俺は舌を挿し込んでゆっくりと歯列をなぞった。
「んっ……」
口を塞がれた蒼空は急に大人しくなり、口腔内の舌はただそこに横たわっているだけだった。
キスしながら扱かれるのは気持ちがいい。それは俺も蒼空も同じはずだけど、今は俺が優勢だ。舌を出し入れするように前後に動かしながら、そのペースに合わせて手を動かす。
顔に掛かる蒼空の吐息が荒くなってきた。興奮しているのが伝わってきて、俺の下半身も熱を増す。
「蒼空……気持ちいい?」
「ん。智暁、もっかいして」
「いいよ」
とろんとした瞳にねだられて、堪らなくなって唇を重ねる。柔らかくて熱くてしっとり濡れたその場所をもっと深く味わおうと、ぐっと舌を押し込んだ――その時。
「んんっ?!」
ジュッと音を立てて蒼空が俺の舌に吸い付く。千切れそうなくらい強く吸われ、付け根にピリピリした痛みを感じる。それなのに、舌先は柔らかいものでじれったく弄ばれ、痛みと快感でパニックに陥りそうだ。
「んっんぅっ……!!」
顔を離そうとしても蒼空の手に押さえ付けられてしまう。さらに蒼空の脚が俺の太ももに絡みつき、熱を持った互いの中心が重なる。
蒼空の手の動きは激しさを増していく。このままではイカされる、そう思った俺は何とか体を少し浮かせて蒼空と距離を取る。
「そらっ、まっ、やっ……」
「智暁、手離していいの?」
そう言われて自分が両手を布団についていることに気が付いた。
「なっ、ちがっ!お前こんなのっ!!」
「智暁どうした?キスももう終わり?」
「おまっえっ……んっンンッ」
再び頭を押さえられて唇を塞がれる。絡み付く脚に力が入り、蒼空は腰を擦り付けるように動かし始めた。蒼空の手と熱く硬いモノが交互に俺を刺激する。
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