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第66話
何度も気絶し、しては揺さぶられ目覚め、今度は自分から淫らに求めて、また気絶し、を繰り返した。
寝たまま背後から潰されながら重く抉られて、尻を持ち上げられ執拗に突き上げられ、横向ききにされ足を広げてねっとりと回されて、正常位で脚を担ぎ上げられ奥をしつこくこじ開けられて、膝抱きにされ座ったままで深いところを責められた。
どれが良いのか試すかのように、ありとあらゆる体位を試され、どれでも何度もイカされた。
腹は精液で膨れ、それをぺニスでかきだされ、また満たされた。
中で出されるのが一番好きなのだと、ミサキは分かってしまった。
オメガが一番好きなこと。
アルファに射精されることなのだ。
そしてアルファもまた。
オメガの中でなければみたされない。
その時だけは。
アキラもミサキも。
その事だけしか頭になかった。
同じ1つの生き物になったかのように。
やっと終わったあとはアキラの大きな胸に抱かれてミサキは朦朧としていた。
イキすぎて、おかしくなってしまったから、アキラの胸に抱きしめられていることが、どういうことなのかもう分からなかった。
「もう離さない。オレの番」
そう言うアキラからはあの甘い匂いがして。
ミサキはそれが番からする匂いなのだと理解した。
アキラはずっと。
最初からこの匂いをさせていた。
ミサキの身体は最初から番としてアキラを認識していたのだ。
そういうマッチングがある、というのは聞いていた。
番としての相性が良すぎることがあらかじめわかることが。
酷すぎる。
勝手にミサキの身体は、決めていたのだ。
アキラがミサキの番だと。
ミサキの身体は満足していた。
アルファに満たされるだけ満たされて。
傷ついたミサキの心の救いは。
ミサキがまだ妊娠しない、ということだけだった。
子供など。
子供など。
絶対に産んでやるものか。
ミサキは、唇を噛み締めながら思った。
でもいずれヒートが来る。
番が出来たオメガはカプセルを外される。
ミサキの身体はこのただ一人の番を求めて狂うだろう。
それにあがらうことはもう出来ないのを知っていた。
だが避妊は出来る。
この男のために子供など。
産んでやるものか。
身体は孔を精液で満たされるのを求めるだろう。
でも、子供を拒否することは、ミサキの決断でできる。
番にされた。
なってしまった。
この男が自分を手放す可能性は消えた。
アルファは絶対に番を手放さない。
絶対に。
絶対に。
ミサキは絶望した。
絶望してすすり泣いているミサキを、アキラは優しく抱きしめていた。
アキラは謝らない。
「それでも・・・お前は俺の番だ」
低い声が苦しげに言う。
ああ。
そう。
そう。
そうなのだ。
それは地獄の始まりだった。
だが。
アキラは。
それでも。
嬉しさを隠そうとはしなかった。
アキラはこれから毎日のようにミサキを抱くだろう。
ミサキの身体はそれを拒否出来ないだろう。
番の身体が一番甘い。
貫かれたなら蕩けるだろう。
求めてしまうだろう。
結婚以上の繋がりが番にはある。
アキラはもうミサキの視線から消えることはない。
アキラは。
ミサキの人生から消え去ることなどない。
それは。
それは。
鎖に繋がれる以上の拘束だった。
泣いてるミサキの背中を優しくアキラは撫でた。
慰めるように。
ミサキは身体を強ばらせて拒絶しようとしたが、身体は甘く溶けていく。
「憎まれてもいい。許さなくてもいい。・・・でも。愛してるんだ。離せないんだ・・・」
アキラの声は苦くて。
その指はどこまでも優しく。
だからこそミサキは。
アキラを憎んだ。
決して許さないと。
許さない。
許さない。
許さない。
絶対に。
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