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第67話

その日からアキラはミサキの番になった。 本来、オメガの意志に逆らい番にすることなど出来ないはずなのに、でも、そうなった。 強い薬を使ってアルファ性を抑制していても、アルファの性質を抑えきれなかったことや、逆にアルファらしく無さもあるアキラは、アルファとして規格外なのかもしれない。 番の成立は。 アルファの支配するこの世界では何よりも優先される。 オメガの意志を無視した番成立は「ありえない」ことなので、なかったことにされてしまった。 ミサキが「承認」してないと言っても誰も信じないし、何よりもう「番」なのだ。 ユキ先生だけは信じてくれたが、だからと言ってどうなるわけでもなかった。 番になってしまっているのだから。 そこからはミサキの意志は関係なかった。 ミサキは番であるアキラの部屋で寝ることが許可された。 というより、毎晩アキラに部屋に連れ込まれ、犯された。 アキラは番になってから、ミサキから離れようとしなくなった。 あんなにミサキから姿を隠そうとしていたのに。 学園の中でまるで影のようにミサキに付き従う。 ミサキの傍にただいるだけで、ただミサキを見ているだけだったが。 ミサキはアキラがそこにいないかのように話しかけない。 アキラも無理に話をしようとはしない。 ミサキは平然としたフリをしていたがアキラに苛立っていた。 アキラがアルファとしての「仕事」で学園にいない時は心の底から清々した。 ミサキが本を読んでいる時と、小説を書いてる時だけはそれでも離れていてくれたから、ミサキはますます、物語の中に逃げ込むようになった。 それでも。 夜になれば抱かれた。 夜になると抱き寄せられた。 ミサキの部屋に寮には入ってはいけないはずのアルファであるアキラが現れて、抱き上げ、ミサキを自分の部屋へと連れ去った。 アルファが番を迎えに来るのは、校則違反であっても見逃されるのだ。 その時だけは。 アキラはミサキに触れるのを躊躇わなかった。 ミサキは抵抗しようとしても。 触れられたなら。 どうしようもなかった。 逃げようとして、背後から抱きしめられ 項に唇を当てられると力が抜けた。 服の上から身体をなであげられ、シャツの上から乳首を摘ままれただけで。 身体はクタクタになり、アキラのすることを受け入れてしまう。 連れされるのを、アキラの部屋に閉じ込められるのを、拒否できなくなり、それどころか連れていかれる最中に、焦れてしまうほどになる。 アルファの寮にたどり着く前に、途中にある林の中でアキラを求めて犯されたりもした。 アキラはアルファらしくミサキを犯し、同時にミサキの身体を開発することに夢中になった。 ミサキは孔を舐められ、舌を入れられることを教え込まれ、それを喜んだ。 アキラの大きなモノで喉まで犯されることに感じるようになった。 アキラは指で口の中を感じることを教えた。 そして口の中のアキラの指をミサキが自分から舐めるようになってから、自分のぺニスを咥えることを教えた。 正気のミサキならアキラのぺニスを食いちぎっただろうが、ミサキはそれを自分から受け入れた。 だって欲しかったから。 口の中の気持ち良い場所を擦られ、感じた。 喉の奥さえ良いと知った。 苦しささえも、気持ち良さになった。 喉を犯されながら、ミサキは達し、アキラの精液を飲んだのだった。 そして、いつしか行為がはじまってしまえば、自分から咥えるようになった。 アキラはミサキの髪を撫で、時に激しく突き上げ、その場所も性器に変えて、ミサキの中に放った。 ミサキのそんな風に身体を変える度、アキラは満足するようだった。 アキラはシンが弄ったことのある乳首をゆるさず、そこはいつも執拗に虐め続けたから、ミサキは乳首が一番弱くなってしまった。 毎日責められ、服が擦れても感じるようになってしまい、オメガ用に販売されているメンズブラは妊娠したオメガのためだけのものでは無いことを思い知らされた。 セックスをして。 どれほど抱かれ鳴かされイカされても。 ミサキとアキラは、普段の会話すらまともになかった。 それでも。 まだヒートが来るまでは。 ミサキはどこかでアキラから逃げられる、と思っていた。 「番」の意味がまだよくわかっていなかったのだ。

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