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終わり

ミサキとアキラはそれまでと変わらずに暮らしているように見える。 ミサキの家にアキラが入り込んでくるのはいつものことだし、夜になったらセックスをする。 でも。 キスするようにはなった セックスの最中にはまだしない。 アキラはキスする時、まだ震えてしまうからだ。 ガチガチに緊張するアルファというのは笑えて、ミサキはキスした後いつも笑ってしまう。 その笑顔を惚けたようにアキラはずっと見ている。 エロいキスが出来るようになるまでは、長くかかりそうだ。 ミサキはまた物語を書くようになった。 一番の読者はアキラなのは前から分かってた。 本の話等はするようになった。 アキラとする本の話は楽しい。 アキラとシンは本気で殺しあっているようだが、中々勝負はつかないようだ。 アキラに死なれたら困るので、そこはシンにはさっさと殺されて欲しいと心から思っている。 シンに会うことはもうない、と分かっている。 シンも全力で避けるだろう。 恋人を二度と傷つけないために。 だけど。 シンとしたセックスの感覚は忘れることはないと知っている。 それがどんなにアキラを苦しめ狂わせても。 シンは。 ある意味ずっと、ミサキとアキラの間にいるのだ。 例えアキラがシンを殺したところでいなくならない。 でもアキラはシンを殺すことを諦め無いだろう。 アキラはどんなアルファよりも執念深い。 アキラは今では朝までベッドにミサキと一緒に寝ていて。 ミサキのために朝食もつくる。 歯ブラシやちょっとした着替:えをこの部屋に置くようにミサキが与えたら、ものすごく喜んでいる。 でも。 まだ。 一緒に暮らしているわけではない。 ここはミサキだけの家、だ。 まだ。 そんなに簡単にはいかない。 アキラが死ぬ時、ミサキを連れていくのかもまだわからない。 殺される可能性はある。 アキラにミサキと離れる選択肢はどんな状況でもないからだ。 でも。 そう、 一緒に寝ている時に髪を気まぐれに撫でてやったなら、驚いたようにこちらを見つめる金色の目は気に入っている。 たまにそれが見たくて撫でるくらいには。 「オレが死ぬまで死ぬな。オレが死んでも死ぬな」 それをアキラには命じてる。 ミサキが死んでも、追いかけさせないこと。 これをミサキは最後の復讐にした。 だからミサキは。 今日も震えながらするアキラのキスを受けいれる。 いつか。 ミサキからキスをする日がくるかもしれない おわり

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