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第1話 告白

中学の卒業式の日。人気のない校舎裏に俺達2人はいた。ここにいる理由は俺が呼び出しからだ。  俺は今から告白をする。そして振られる。どうせ俺には可能性がないだろうから。思いを告げない選択肢も考えた。だって今の心地いい関係性を壊すのが怖いから  でもそんな事を繰り返していたら俺は多分逃げ癖がついてずっと踏み出せないくなると思う。それに気持ちを隠したままでいるっていうのは凄いモヤモヤする。もし恋人が出来たりしたら俺は祝えないし、それでその内いつか何かの拍子で衝動的に気持ちを伝えてしまうかもしれない。  そうして何の前触れもなく関係が壊れて辛い思いをするぐらいだったら心構えが出来てる内に当たって砕けろ精神で気持ちを伝える事を俺は選んだ。でも  心臓の音がうるさい。舌が乾く。覚悟は決めたとは言え、怖さがなくなった訳じゃい。振られる前提だったとしても告白なんだから緊張するに決まってる。 「あのさ、好きだから俺と付き合ってほしいんだ!」  言っちゃったなぁ。これでもう後戻りはできない。あぁ~、歩に相談すればよかったかな  けど時間が空くとそのままズルズルと後回しにするかもしれないし、これでよかったと思う事にしよう。何よりもう告白しちゃったんだから今更考えてもしょうがないよね 「えっ?」  告白した僕に対して相手は困惑気味な反応だ  普通だったら告白を断られても良くない感じになっても多少気まずくなるだけで済むと思う。でもそれは難しいと思って置いた方がいいと思う。だってその方が最悪の場合起こる心のダメージが少なくて済むからその方がまだマシだろうしね  俺が何故そんな事を考えているのか。そして告白の返事をもらう前から振られると考えているというのにはどちらも同じ理由からだ。その理由は 「どうかな?悠真」 「急にそんな事をいわれてもなぁ。いや、え~?」  僕が告白をした相手が男だからだ。そして僕も同じ男だ。そりゃ困惑するよね。まぁ、予想通りかな 「あっはは。まぁ、無理だよね。分かってる!けど、何も言わずにいたら僕はその内後悔すると思ったんだ」  そういうわけで僕は本気で自分の気持ちを伝える事にした。振られるだろうとその覚悟をした上でだ。 「だからさ、今ここで綺麗さっぱり、すっぱり振っちゃってよ!」  そんな風に俺は軽い感じで告白と振るように提案した。あまり、重く考えて欲しくなくて嫌われたくなくて、逃げ道をつくる為につい、軽い感じで言ってしまった  あー、覚悟を決められたと思ったのに結局これか。どうせ振られるだろうけどなんか消化不良って感じになっちゃったなぁ。自業自得だけど落ち込むなぁ。 「え、いや。別に俺振る必要なくないか?」 「………は?」  あれ?なんだろう。どうやら落ち込んでいたから耳の調子が悪くなったみたいだ。よく意味がわからないけど、とりあえず念のために確認しよう 「えっと、悠真?なんか今振る必要ないとかなんとかって言った気がするんだけど多分僕の気のせいだよね?」  そうだよ。そんな事あるわけない。いくら楽観視なところがある悠真とは言え、そんな事を言うわけがない。だからつまりさっきのは僕の聞き間違えに決まってる 「?気のせいじゃねぇよ。俺ら付き合えばいいじゃん。」  あっれー? 「………なんで?」  さっきとは逆で困惑した俺は気がついたときにはもう言葉を漏らしていた  だって悠真高校で彼女作るんだ!って意気込んでたのに。なんで僕の……男の告白を断らないの?意味が分からない。  ………もしかして期待してもいいのか? 「えっ、いやだって俺別にお前の事嫌いな訳じゃねえし告白されたし試しに付き合ってみるのもありなんじゃね?」  ………あー、そっか。悠真はこういう奴だよね。思い切りがいいと言うか、素直というかなんというか。 「あのさ、悠真は同性同士で付き合う事ってできるの?てか好きになったり付き合った経験とかあるの?」  そういうのがあればまだ安心できるけど 「うーん。まぁ、男と付き合った事はねぇし、好きになった事はねえな」  そりゃそうだよね。彼女欲しいとか思ってる人があるわけないよね。 落ち込んでる僕をよそに悠真は続けて 「けどまぁ、なんとかなるだろ!とりあえずは後で考えようぜ」  なんのけなしにそんな事を言いやがった。その言葉に俺の中で何かが弾けた……… 「ふっざけんなー!!」  俺は感情そのままに叫んでいた

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