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第2話 思い違いとボキャブラリー
「え?」
突然叫び出した俺にアホ顔をする悠真。けど今の俺にはそんな事どうでもいい!いや、寧ろ余計にむかつく!
「ふざけんなじゃねえって言ってたんだよ!悠真!お前意味分かって言ってんのかよ!?」
俺はさっきと同じように、いやそれ以上に感情をあらわにして悠真に質問をする
「えっと、だから付き合うって事だろ。俺たちで」
そんな軽い調子の悠真の回答にまたしても俺は腹が立った
「っ!だっから!それが!男同士で付き合う意味分かってんのかって言ってんだろうが!なんで俺が振られる前提で話したと思ってたんだよ!?」
この告白でめちゃくちゃ勇気を振り絞ったんだぞ。なのになんでこんなイライラする展開になるんだよ!
「遊びとか罰ゲームで言ってんじゃねぇぞこっちは!俺は他の奴らと違ってノリで付き合いたいって言ってんじゃねぇんだよ!本当にお前が好きなんだよ!恋してるんだよ!」
「お、落ち着けって。とりあえずお試しから始めてみようぜ。」
「落ち着けるわけねぇだろうが!お前みたいに軽い気持ちで考えてるわけじゃねぇんだからな!」
悠真の事だから分かってないんだろうなってのは察してはいた。けど、期待したくなるだろ。好きな人が自分を受け入れてくれたのかもしれないって
「いや、だから付き合えるかがわかんねぇからーーー」
「うっせぇー!もうお前の顔なんて見たくねぇ!」
もう悠真と話したくなかった俺は喋ってる途中なのにも関わらず背を向けて走りだした。
「いや、ちょっと待ってって」
悠真が慌てて俺を止めようとしたのが端目に見えた。けど俺はもう悠真と喋りたくない
「ついてくんな!このバーカ、バーカ!えーっとアホ!」
「いや、ボキャブラリー少なすぎね?てか弘いつもと口調違うし」
俺に言うつもりはなかったんだろ。つい口から漏れた言葉だったんだろうが耳のいい俺はついその声を拾ってしまい
「うるっせぇ!お前までボキャブラリーについて触れんな!」
ついイラッときて後ろを振り返ってそんな言葉を言ってしまった。何やってんだよ俺。我ながらガキっぽいなとは思う。それでもやめられなかった。ムカつくし、恥ずかしいし、何より悲しい。自分の中で色々な気持ちがぐちゃぐちゃになってもう何も考えたくない
俺はそのまま家に走って家に帰って自分の部屋に入ったらそのままベッドに倒れ込むように体を預けた。
着替えもせずにもう制服このままに眠りにつこうかとも思ったけど思い出した事があり、一旦やめておいた。
「ええっと悪い。今日ちょっと行けなくなった。欠席の連絡しておいてくれっと。これでいいよな」
今日は本当は卒業が終わったらクラスの皆でボーリングに行く予定だったけど、今の俺はもうそんな気分じゃなかった。
とりあえず歩に欠席の連絡を頼んだ俺は、体を仰向けの体勢にして目をつむった。
今はもうただ何も考えたくなかった。なんであんな風になったんだろうな。
まさか悠真がオッケーするとは思ってなかった。けどあんな軽い調子なのはめちゃくちゃ嫌だ。まぁ、俺が言えた事じゃないんだけど。覚悟を決めたつもりだったけど全然だった。結局真剣に伝えられなかった。やっぱり歩に相談すればよかったかもな
これからどうすりゃいいんだよ。あいつと高校同じなのに。俺あいつと顔合わせたくねーな。好きなのに、会いたくねーとか最悪だ。クソっ
気分が落ち込んでる時に1人でいるとどうしてと悪い方にばかり考えてしまって1人で更に落ち込んでいた俺はいつの間にか眠ってしまっていたらしく気づいた時にはもう夜になっていた
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