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03※
「改めて、俺、何日か前に生徒会書記として入った結城っていいます。よろしくお願いしますね?咲良先輩」
「・・・よろしくって体勢じゃないけど?」
すると、結城は俺をじっと見やると、
「・・・ま、頭の悪さはともかく、確かに顔だけは綺麗ですね」
と、呟くのだ。
細い指先が頬から首筋まで撫でると、顎をくいっと持ち上げ、こちらをじっと見やるのだ。
「朝日先輩に捨てられたら、俺が拾ってあげてもいいですよ?」
俺と結城の視線がぶつかる。
睨んでいるが、結城は全く気にしてなく、むしろ楽しそうにすら見えた。
「・・・離せよ」
「咲良先輩、類先輩にはヤらせたんですよね?俺の相手もしてくださいよ」
「それにーーー、」
すると、結城はくすっと笑うのだ。
「咲良先輩には拒否権なんてないですよ?」
「・・どういうことだよ」
「咲良先輩、前生徒会室に侵入したじゃないですか。退学にはされない代わりに、先輩を生徒会の管理下に置くことになったんです」
「管理下・・?」
「はい。ま、簡単に言うと先輩は生徒会に何をされても拒否権がないんです」
「何をされてもって、・・。なんだよ、それ・・」
「あ、ちなみに弥生も生徒会ですよ。弥生は、・・・まあ、生徒会側からスカウトされた感じですね」
弥生が学校に行ったら説明する、と言ってたのはこれらのことだったのか。
俺が生徒会の管理下に置かれることはまだ分かるが、生徒会には何をされても拒否ができない、というのは、もはや人権がないのと同じことだろう。
そしてもう一つ気になるのが、生徒会が弥生をスカウトしたことだ。今まで生徒会が誰かをスカウトした、など、聞いたことがないのだ。
ーー何か引っかかる。
すると、考えるそぶりを見せた俺に、結城はへえ、と呟くのだ。
「咲良先輩って、頭悪いのかと思ったら、案外そうでもないんですね?」
「・・うるさいな」
「・・・・気が変わりました。先輩で遊ぼうと思いましたが、先に味見だけさせてもらいますね」
「な・・・、ーーんんッッ」
突然顔を近付けてきたと思えば、口付けてきた結城に目を見開いた。
ドンっと、結城の胸を押すとおっと、とふらついた結城だが、全く気にしていない様子だ。
「っ、お前、なに・・、」
「・・ああ、そういえば大事な事を言うの忘れてました」
結城はこちらに向き直るとにこっと笑うのだ。
「俺、朝日先輩が落選させられた選挙で、当選したんです。なんで人望も人気もある朝日先輩が落選させられて、適当に俺が選ばれたのかを、生徒会に入ってから知ってびっくりしましたよ」
「・・・」
「その話を聞いた時、思ったんです。」
「ーーー咲良先輩って、可哀想だなって」
「・・・おい、それってどういうーー」
すると、結城は俺の手首を掴み、壁に押し付けるのだ。
「ま、おしゃべりはここまでにして、もうそろそろ咲良先輩を味わいたいんですけど」
「・・まだ、話の途中だろ。・・・手、離せよ」
「だ・か・ら、先輩には拒否権ないんですって。分からない人ですね」
すると、掴まれている手首をぐいっと引かれると、結城は荒く口付けてくるのだ。唇を割って入ってきた舌が、俺の舌を捉えると、絡み合った舌はくちゅくちゅと卑猥な音を立てた。
「ーーっん、ん」
「ん、・・先輩、キス、下手ですね。ま、それはそれでそそりますけど、朝日先輩にしてもらってないんですか?」
朝日の名前を出され、カッと顔が熱くなった。
「っ、関係ないだろ、」
「へえ・・。先輩、可哀想ですね。こんなに顔だけはいいのに。・・じゃ、朝日先輩の代わりに、俺がシてあげます」
結城は俺の制服のズボンのベルトに手を掛けると、カチャカチャと緩めるのだ。
「・・や、・・っ、」
そして、半勃ちしている俺の性器を見て笑った。
「少しキスしただけで勃起するなんて、可愛いところもあるんですね?」
「っ、や、嫌だ・・・っ、本当に・・、」
「ほーら、遠慮しないでください」
結城は俺の足の間に屈むと、俺がぎょっとしたのもつかの間、あむっと性器を咥えるのだ。
熱い唇に咥えられ、つけ根から亀頭まで出し入れされると、びくんっと腰が震えた。
「っひ、ぅ、駄目、・・だっ・・・て・・ぇ・・、」
朝日にだってこんなこと、されたことないのに、
俺の反応を見た結城は口を離し、え、と呟いたのだ。
「何、その反応。もしかして、フェラされるの初めてなんですか?」
「っうるせ・・、」
すると結城はにやっと口角を上げた。
この時、余計なことを言わなければよかったと、俺は後から後悔した。
そして、俺の性器の前で笑うこいつが、不覚にもエロいと思ってしまうのだ。
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