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04※
「咲良先輩ってあんまり経験ないんですね。意外です」
「・・馬鹿にしてんのかよ」
「いいや?調教しがいがあるなって」
「何言っ、・・ ーーッぁ」
すると結城は亀頭にねっとりと舌を這わせると、裏筋まで舌を滑らせるのだ。裏筋をちゅ、ちゅ、と優しく吸い上げながら、俺の反応を見ては結城は笑っている様に見えた。
「っひ、ッ、・・やめ ・っ、・・ぅ」
「ほら、腰引いちゃ駄目ですって」
ぐいっと腰に腕を回され、隙間なく結城の口に犯される形になってしまう。後ろには壁。結城を引き離そうと肩を押すが、甘く吸い上げられると、力が入らなくなってしまうのだ。
「っは、先輩、力よわっ。それで抵抗してるつもりですか?」
「っうる、せ・・・ッ、・・ひ・・、ぅッ」
きゅっと竿を握られ、しごかれながら亀頭を舌で転がされると立っていられなくなり、結城にしがみつく体勢になってしまう。
「・・・っ、・・・ぅ、・・ッ」
「ん、」
すると口を離し、すくっと立ち上がった結城は俺を抱き締めると、俺の先走りを絡めた指を、割れ目に這わせるのだ。
「彼氏でもない男に好きにヤられて感じるなんて、先輩って淫乱ですね」
「ーーッっ、・・や・・ッ、」
結城の細く長い指が閉じた場所にぐりぐりと先走りを塗り込むと、つぷっと音を立てて、俺の中に滑り込ませるのだ。
「ーーーッ、・・ぁ・・・、ぅ・・・っ」
しばらく誰も受け入れていない股の奥は、固く閉じて指の侵入を拒んでいる様だった。
すると、すんなり入っていかない指に結城は首を傾げるのだ。
「っえ、なんで、狭・・・」
「ッぬ、け・・・、よ、」
「えっ、類先輩、ヤってなかったてこと?・・・ははっ、まじかよあの人。まさか、本気で咲良先輩のことが・・・」
すると、結城はにやっと口角を上げるのだ。
なんだろう、分からないが、かなり嫌な予感がする。
「っは、先輩って、本当に面白い人ですね」
と呟いたと思えば、円滑剤をまとった指は固く閉じている内部を推し開いていく様に、ゆっくりと奥に入っていくのだ。
「っ・・、ぅ・・・・、」
「ほら、じっとして。慣らしてあげますから」
内股になり閉じかけた足を、間に膝を入れられて阻止される。
中を解すかの様に、最奥に到達した指をゆっくり引き抜かれ、また奥まで入れられる、という動作を優しく繰り返されると、無意識の内にへその奥が疼き、息が上がってしまうのだ。
「ん・・ッ、ぁ・・・・・、ぅ・・・ッ」
「ふ、息あっつ。そんなに気持ちいいですか、これ」
次第に動きが早くなる指に、結城の肩に顔を埋め、しがみつく他なかった。
頭が真っ白で、もう、何も考えられないのだ。すると中が痙攣し、結城の指をきゅうと締め付けると、身体中に何かが駆け巡ってくるのだ。
「ーーッ、・・ひ、・・・ぁ、・・ッ、・・も、・・・や、・・・ッ、」
「イきそう?いいですよ、見ててあげる」
「ーーイって、先輩」
「ッん、・・・ぅ、・・あ・・・・・、ぁッッ」
結城の声が合図にでもなったかの様に、抱き締められたまま、びくん、と体が跳ねる。
「っは・・・ぁ、」
「おっと、・・大丈夫ですか、先輩」
すると、脱力し崩れ落ちそうになった体を結城が抱き留めるのだ。
そしてごそごそとカバンの中を漁った結城は何かを取り出すと、それを持ったまま割れ目に手を伸ばした。尻に冷たい物が触れ、びくっと肩が震えた。
「ーーあ・・ッ、・・や、・・な、っ・・、に、」
「先輩に、プレゼントですよ」
すると手にした物を柔らかくなった中に、つぷっと押し込まれるのだ。何やらカーブしている様な造形で、中を圧迫される様な感覚だった。やめろ、と抵抗しようと少しでも動くと、未だ麻痺している中に擦れて、力が抜けてしまう。
「な、に、入れ、」
「ちょっとしたおもちゃです。コレ入れて、今日1日耐えられたら、先輩が知りたがってること、全部教えてあげます」
全部・・って、生徒会のこと、朝日のこと、か?
・・・こいつを、吐かせることができれば・・・、全部、分かるのだろうか。
「もし出来なかったら、罰ゲームですからね」
「罰って・・・、」
「はい。俺だって生徒会だけの極秘事項教えてあげようとしてるんですから、できなかったらそれ相応の罰、受けて貰わないと」
すると結城は、あっ、と何か思い付いたかの様に、にやっと口角を上げた。
また、ろくでもないことを考えてるんじゃないだろうな・・。
「できなかったら、ーー弥生のこと、誘ってください」
一瞬、耳を疑った。
弥生を・・・、何だって?
「な、に、言って・・、」
「いいじゃないですか。弥生が先輩のこと兄として見てないの、先輩分かってますよね?」
弥生は、唯一の弟だ。例え義理の弟だとしても、家族には変わりがない。そんな弟を誘う、なんて・・、
すると、俺の様子を見た結城は口を開いた。
「大丈夫、これは振動もしなければ何の仕掛けもないやつなので。本当に入れてるだけでいいんですから」
クスッと笑った結城は手を離すと、丁寧に俺の乱れたズボンとシャツを直すのだ。
無茶苦茶な奴の癖になんでそういうところは律儀なんだろうか。
「放課後、またここに来てください。ちゃんと入れたままか確認するので」
ベルトまで締め直した結城は体を離すと、俺を見てふっと笑うのだ。
「もしかして、もう我慢できない感じですか?」
「・・・っは、こんなの、楽勝だ」
「ですよね。ただ、入れてる"だけ"なんですから」
この余裕そうな結城の態度に少し引っかかるが、やるしかないだろう。
真実を知れるかもしれないから。
ーーすると、どこからともなく声が聞こえた。
聞き慣れている、俺の好きな声だった。
「咲良・・・っ、」
「・・・え、朝日・・?!」
駆け寄って来た朝日は息が上がっている様だった。
もしかして、俺を探していたのだろうか。
「お前の弟と、生徒会の奴がお前を探してたから、何かあったのかと思って一緒に探してたんだよ」
「・・そう、だったのか、」
すると駆け寄って来た朝日は俺の肩をがしっと掴むと、上から下まで、俺をじっと見やるのだ。
何か、おかしいところはないか、冷や汗が止まらなかった。
「おい、何でこんなに顔赤いんだよ。まさか・・・」
朝日はじっと隣にいる結城を睨む。結城に至っては想定内のことなのか、落ち着いている様に見えた。
ここで朝日にバレる訳にはいかない。真実を、知りたいから。
「朝日、そいつは具合の悪い俺を運んでくれただけだ」
「・・え、そう、・・なのか?」
朝日の気の抜けた様な返事を聞くと、結城は最初俺に向けていた様な、今の俺にとっては胡散臭いふわっとした笑顔を、朝日に向けるのだ。
「はい。僕、1年の結城っていいます。咲良先輩が校門の辺りでうずくまっていたので、ひとまず人がいないここで休んでもらってたんです」
・・何なんだこいつのこの猫のかぶり様は。こいつのこの笑顔に、おそらく今まで何人もの奴が騙されてきたことだろう。
「・・あ、そうだったのか。悪かったな、疑って」
「いいえ。・・・では先輩方、僕はこれで失礼しますね」
結城は去り際にちらっとこちらを見やるのだ。視線がぶつかると、先ほど入れられたおもちゃが存在を主張するかの様な異物感に、きゅっと腹の奥が締まった。
そんな足元がおぼつかない俺の様子を見た結城は、俺にしか見えない様、約束、忘れないでくださいね、と言わんばかりに不敵に微笑むと、その場を去って行ったのだ。
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