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※※※  唇を離し類を見上げると、腰に手を回されたと思えばぐいっと引き寄せられた。  柔らかく口付けられると、唇を滑らせて熱い舌が入ってくる。俺から舌を絡ませると、驚いたのか類の肩がぴくっと揺れた。  すると背にまで腕を回され逃げられなくなり、舌の裏側から根元まで舌を這わされてちゅるっと吸われてしまう。  類の服を掴む手にきゅっと力が入るが、膝の間に足を差し込まれると再び熱を持ち始める性器が類の膝に擦れ、思わず腰が揺れてしまうのだ。 「っは、·····ぁ、あっ·····、や··········っ、せん·····、ぱ·····ッぁ」 「·····ん、ほら、咲良ちゃんから誘ってきたんじゃん。頑張ってよ」 「·····む、·····っり·····、ひ·····ぁ·····っ、ぁ·····ッ·····」  そして再び唇を合わせ、濡れた舌を絡ませた時だった。  ーーバタバタバタ·····  ーーーーーバンッッ 「···咲良·····っ、お前、一人でここに来るなって、何回も言ってるだろ·······ッッ」  息を切らした朝日が勢いよく扉を開ける。  中にいた俺と類は、朝日の声と共にうるさいくらいに響く扉の開く音にバッと入口に顔を向けた。 「·····類、先輩··········、」  すると朝日は、俺と類のこの光景に目を丸くさせるのだ。 「ーーーあんた、真面目に業務できたんだな」  すると机に向かって書類を広げている類は、朝日に向かって顔をしかめた。 「·····ねえ、朝日くん。俺だってヒマじゃないよ? ·····まさか、咲良ちゃんにちょっかいかけてるとでも思ったんじゃないよね」 「·········う、」  図星を付かれたのであろう朝日は、それぞれ業務をしている俺と類のこの状況に拍子抜けしているようだった。 「ーーでも咲良、万が一にも何かあったら大変だからここには一人で·····」  来ないでくれ、という前に俺は朝日、と呼ぶとこちらを向いた朝日は俺と目を合わせるのだ。 「お前、心配し過ぎ。俺だって業務溜め込んでんだから仕方ないだろ」 「·····それとも、俺はそんなに信用ないか?」 「咲良·······、」  すると俺をじっと見やる朝日は息を深く吐いた。 「·····ごめん、咲良。少し神経質になってたみたいだ。·····ただ、もし何かあったら、絶対俺に言えよ?」 「分かってるって」  そして朝日含む俺達三人は書類とにらめっこしながらも業務に励んだ。  ーー尚、俺と類の冷や汗が止まらなかったのは言うまでもない。  廊下からバタバタと足音が聞こえてきていた時点で俺と類は瞬時に離れ、いかにも最初から業務をしていた、と見えるようなこの状況を作り上げたのだ。  朝日が生徒会長になってから数週間。  紆余曲折を経て生徒会の呪縛から解放された俺達の関係は順調かと思えたが、実際はそうでもなかった。  生徒会長となり多忙になった朝日にあまり構ってもらえなくなった俺は、二人きりになった際に類に誘われ、そのまま流れるように一線を超えることとなった。  そんな類とは週に数回、こうして体を重ねている。肌を合わせている時だけは、朝日がいない寂しさを忘れられる。  行為が終わると残るのは虚しさと罪悪感だけ。それでも俺は、この関係にハマってしまっていた。  ーーとまあこんな感じで、類との行為中に朝日のことを思い出しては罪悪感を感じると同時に、バレるかもしれないというスリルと背徳感をゾクゾクと感じながらも、類との関係をそれなりに楽しんでいた。

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