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20話※

 雄の匂いが口いっぱいに広がり思わず顔を離したくなったが、俺の表情から思考を悟った類はガッと後頭部を押さえるのだ。 「~~っ、んぅ·····っ」 「っあー、咲良ちゃんの口の中あったかい·····。ほら、もっと舌使って?」  言われた通りに舌を裏筋に這わせ、濡れた唇でちゅぷちゅぷと滑らせるとじょーずだね、と息が上がっている様子の類が俺の頭をくしゃっと撫でるのだ。  褒められると案外悪い気はしなく、口内を犯されてぼうっとし始めている俺を見る結城はむっと口を尖らせた。 「·····ね、咲良先輩、類先輩とばっかイチャついてないで、俺のことも構ってよ」 「ーーっんん、·····ッッ」  カリが内壁と凝りをぐりっとえぐり、ぐちゅぐちゅと腰を打ち付けられると、仰け反っている性器から液が溢れて止まらなかった。 「っん、んん·····、っぅぅ·····っ」  上も下もいっぱいに埋め尽くされて犯され、もう何がなんだか分からなかった。  頭の中は気持ちいいことしかなく、口の中も股の奥もじんじんとしていて、熱くて堪らなかった。 「あー·····、咲良ちゃん、俺、もう、出そう」 「咲良先輩、俺のもちゃんと受け止めてね?」  そう声が降ってきたのもつかの間、腰を捕まれたと思えばぐっと密着されると、凝りをぐりぐりと突かれてしまうのだ。  口内では上顎にぐちゃぐちゃと先を押し付けられ、下腹部に熱がどんどん溜まっていった。 「ーーっん、ぅう~~ッッ」  瞬間、腹の奥が熱くなると同時に奥でぱんぱんに膨らんだ性器が弾け、喉奥に熱くどろっとした液が注がれるのだ。  喉奥に出された体液を思わずこくんと飲み込むと、連日犯されている疲労からか、俺の意識はそのまま深い闇の中に落ちてしまった。  ーーガチャ 「·····やっと終わった?」  開いた扉から顔だけを出し類と結城を見やると、あられも無い姿で気を失っている咲良を見てはあ、と息を吐くのだ。 「もー·····、ここ使うのやめて欲しいんだけど」 「あ、ごめんね朝日くん。別れたカノジョのこんな姿見たくなかったよねえ」 「いや·····、まあそれもあるけど、咲良も俺に見られたくないでしょ。だから廊下で待ってたんだし」 「え、別れてもそういうとこ気遣ってあげるの意外なんですけど。あんな風に突き放したのに」 「·····別に」  目に涙を滲ませ、寝息を立てている咲良をちらっと見た朝日は自身の上着を脱ぎ、咲良にふわっと被せてやると、類と結城はえっと驚いていた。  そんな二人を気にもしていない朝日は自身の机に行き、椅子を引いて腰掛けると何事もなかったかのように業務を始めたのだ。  どういう風の吹き回しなのだろうか。  類と結城に犯された後、おそらく類と結城が運んだのだろう。自室で目を覚ましたのだ。そして何やら懐かしい香りがするなと思ったら朝日の上着がかけられていた。  まさかあの日、朝日は廊下にいたのか、それとも俺が気を失っているところにたまたま居合わせたのか、謎は深まるばかりだった。もし二人に犯されていたところを見られていたのだとしたらかなり複雑だし嫌なんだが。  その次の日登校すると、朝日は何事も無かったかのように同じクラスにいたのだ。だが声をかける事はできないし、朝日も話しかけられたくないだろうから、上着はこっそり生徒会室の朝日の机に置いておいた。  そして最初は奴らに犯されることは平気だった俺も、そんな生活が数週間ほど続いた頃には心身共に疲弊していた。  学校に来ては休み時間の度に犯される日々に、自分の生きている意味が分からなくなってきてしまった。授業に終わりが来て欲しくないと思っているのはおそらく俺くらいだろう。  そんな俺は最近、授業終了のチャイムが鳴る度にびくびくと震え、チャイムが鳴ると同時にどこかに隠れる日々が続いていた。  ーーキンコンカンコーン  授業の終わりを告げるチャイムが学校中に鳴り響く。ある者は喜び、ある者は友達のところへ行き、皆がそれぞれ休み時間を満喫している中、俺はこのクソ寒い中ベランダに行き、奴らに見つからないよう息を殺して身を潜めていた。  寒い。身も心も寒い。どうかこのままあいつらに見つかりませんようにと祈りながら、体育座りで壁に身を寄せていた時だった。  ーーガララッ  突然のベランダの扉を開ける音にびくっと肩が跳ねた。  ーー連れていかれる。  俺は腕に顔を埋めていて、目に溜まった涙は制服に滲んでいた。  するとぽん、と肩を叩かれるのだ。びくっと肩が大きく震えると、「うおっ」と驚いた声がベランダに響いた。  ーーこの声、生徒会の奴らじゃない··········?  そう思った俺はぱっと顔を上げた。  すると、目の前の奴に「なあ、寒くないの?」と手を取られるのだ。 「っ、手ぇ冷た!·······って、咲良、何で泣いてんの?」  目の前には、冷たいと言いながらも俺の手を頬に当て、しゃがんで顔を覗き込む、クラスの委員長である椎名がいたのだ。

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