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「ぁ、さひ········っ、ぁ·····っ」
首筋を柔らかく吸われ、後頭部に朝日の息づかいを感じると、下腹部が電気が走ったようにびりびりと震えてしまう。
「っや·····、あさ·····、ひ·····っ、この、かっこう·······っ」
椅子に腰掛けている朝日の上に、後ろ向きに座らされているこの体勢はなんとも気恥ずかしく、背後にいる見えない朝日に何をされるのかという怖さも少しあり、かなりいたたまれなかった。
「いいから。ちゃんと集中して」
「っぁ、·····ぅ、」
ちゅ、ちゅ、とうなじを甘く口付けられながらシャツのボタンを外されると、震える肌が露わになってしまう。
「·····なあ、灰田にどこ触られた?教えて、咲良」
「ーーひ、ぁ········ッ」
淡く色付いている突起の先を指の腹でくにくにと揉まれ、体が小さく仰け反る俺を見る朝日は顎に手を当て、何かを考えているようだった。すると、「あー、やっぱいいや」と耳元で呟くのだ。
「自分で調べるから」
そう声を落とされると、背後から伸びてくる手にカチャカチャとベルトを緩められ、ズボンをパンツごと脱がされてしまった。
剥かれた衣類から甘く勃っている性器が露わになると、恥ずかしくなり思わず目を逸らしてしまう。
すると、目の前にすっと指を差し出されるのだ。
「舐めて、咲良」
ーー俺は知っている。この後なにをされるのかを。
これから俺の中に入ってくる指を自分で慣らすなんて、入れて欲しいと言っているようなものだ。
だが、やらないと俺の潔白を証明することはできないだろう。
覚悟を決めた俺は前に出されている手のひらをきゅっと両手で掴むと、指先を恐る恐るちろっと舐めた。
「っん·····、ぅ」
そのまま舌先を指の間から付け根に這わせると上手、とわしゃっと頭を撫でられるのだ。
「美味しい?俺に指入れられること想像して、ちゃんと味わってな」
先程剣幕な表情をしていた朝日がやっと穏やかになってきたことが嬉しくて、こくこくと頷きながら指を何本か一気に咥えた。これからこの指が中に入るのかと考えるだけで、下腹部がどんどん熱持ってしまうのだ。
「っ、んん·······」
それを朝日に悟られないように舌を滑らせながらも赤子のようにちゅうちゅうと吸い付くと可愛い、と腹をすりすりと撫でられるのだ。
さらに頬にちゅっと口付けられると、舐めながらも吐息が漏れてしまう。
「ーーっ、ん·····ッ?!」
腹を撫でる手がするっと肌を滑ると、先がじんわりと濡れている性器をきゅっと握られてしまうのだ。
「ここは?あいつに触られた?」と聞かれながらちゅくちゅくとしごかれ、指を咥えている口の端から唾液が漏れ出てしまう。
「ぁ·····、ッぅ·····っ、ぅ·····」
「·····教えて、咲良」
耳に唇を寄せられ切なく囁かれると、さすがにもう嘘を付くことができない俺はこくりと小さく頷いた。
そして少し間があった後に「へえ」と低い声が降ってくるのだ。
「指、舐めてくれてありがとう」
「ーーっあ··········ッ」
くしゃっと頭を撫でられると、口から引き抜いた指が股の間に宛てがわれた。唾液をまとった指先がつぷっと入ってくると、「柔らかいな」と不機嫌な声が降ってくるのだ。
俺がぼうっとしているのも悪いが、生徒会のあだこだがなくなってから、朝日は以前よりも嫉妬するようになった気がする。
背に感じる朝日の体温に嬉しく思いながらも、俺の体が持つかどうかの心配もあった。だが自分のせいなのだから受け入れるしかないと、そのまま朝日に身を預けることにした。
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