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第6話 R18

 五日目。  寝起きは最悪だと言っておこう。  ン十年振りに夢精しそうな夢を見て目を覚ました。  隣を見ればスカ~~ッと気持ち良さそうな寝息を立てて恋人の遼平が寝ていて、些か厶ッとしたが体の中心の掛け布団が持ち上がっているのを見付けて、あぁ……遼平も我慢してるんだ。と自分に言い聞かせる。  だけど、昨日の仕打ちは少し酷くないか?当初のマッサージは本当に気持ち良くて、仕事の疲れも吹っ飛ぶなと思っていたのに、最後の方は完全に騙し討ちにあった感じだ。  手を離されても数秒腰の動きや痙攣は止まらなかった。もう少しで気持ち良く達しそうになっていたところを寸止めされて、ジワッと滲んだ涙をチュッとキスで慰められただけ。しかも 『お~~、凄いじゃん。我慢出来て偉い、偉い』  と、頭をポンポンと叩かれて終わり。  あの後先走りやオイルで濡れたボクサーを着替えるのも敏感になった体には辛いものがあったし、ベッドに敷いたバスタオルでオイルを拭うのだって生地が肌にあたるだけで気持ち良くて……。  やっぱり納得いかね~ッ!  俺はスヤ~っと眠っている遼平の鼻を指で塞ぐ。何秒間後 「フゴッ……グッ、ハッ! ハァッ」  息苦しさに目を開いた遼平は、バシッと本能で俺の指を鼻から叩き落して大きく開いた口から息を吸っている。 「おはよ」 「カハッ……はよ……ッ、ング、何して……?」 「え? 悪戯?」 「………ッ、質悪ぃ、から」  遼平の台詞を無視して俺はベッドから起き上がると 「風呂……行ってくる」  一言そう言って、部屋から出て行く。  早く抱かれたい。  けれどその前に、準備する必要がある。  脱衣所でボクサーを早々に脱ぎ捨てて、俺はバスルームへと入るとシャワーのコックを捻ってお湯を浴びる。昨日のオイルがお湯を弾いているのを見て、ボディーソープで軽く洗い流し準備する。 「郁哉~、俺も一緒入る~」  中を綺麗にして、少し解しておくか? というところで、脱衣所から遼平の声。 「へ、ぇ?」  間抜けな返事を返すと、カラッと扉が開いて遼平が入って来る。 「え? イヤ、チョッ、と……」  まさか準備している時に入ってこられるとは思って無かった俺は、動揺して遼平から背中を向ける格好をとると 「あ、準備してた? 俺も手伝おうか?」  背中にピッタリとくっついてきた遼平の体にドキリとしてしまうが、次いでは尻にガチガチに硬いモノがあたって息を飲む。 「どこまでできた? 中まだ洗って無い?」 「そ、れは……出来てる……」 「そうなん? んじゃ、解そうか?」  ツッと伸びてきた指が尻たぶに触れて、ビクンッと臀部が揺れる。 「やッ……だ、大丈夫だしッ」 「ンなワケねぇじゃん? 久々にするんだぜ? それに俺もこんなにガチガチになってんのに……」  遼平は俺の手を掴むと、後ろ手に自分のモノに触れさせる。 「あ……ッ」 「解しもしないで、いきなりは無理でしょ?」  言いながら自分のモノから俺の手を離させると、シャンプーボトルを置いている棚から粘度の高いローションを手に取りパカッと蓋を開ける。俺はその音にクルリと遼平に向き直り 「じ、自分でするから……。今、お前に触られたら……絶対イっちゃうし……ッ」  俺はモゴモゴと呟いて遼平の手からローションを奪うと自分の手にトロリとローションを落とす。  と。  突然遼平から食べられそうなキスをされて、俺は壁に背中をぶつける。 「ン、ッ……ンンッ!」  キツく抱き締められながら、息もつけない程のキス。  舌がすぐに上顎を舐めねぶり、裏側の歯列をゆっくりと味わうように愛撫されて俺の膝が笑う。  腰に力が入らずにガクッとよろけると、伸びてきた腕にグッと支えられ唇を離される。 「ン、じゃぁ見せて」 「……へ?」 「郁哉が解してるとこ、見せて?」  首をコテンと傾けて可愛く言ってるつもりなんだろうが、目の奥がギラギラしてんだよッ!  ゆっくりと離された遼平の腕から、俺はズルズルと壁伝いに尻もちをつく形で座ってしまい、俺が何を言っても聞かないと解る遼平の眼差しに負けて、そのまま俺は自分の後ろを解す事になってしまう。  ローションの付いた指をゆっくりと内壁へと挿入させて、奥を開くように指を動かす。変に刺激しないように注意深く動かして、更に開くようにともう一本指を嵌め込むと、ハッ、ハッと荒い吐息を吐き出す自分の息遣いが響く。  入り口を重点的に縦へと開くように指を動かして、上から痛い位に感じる視線にチラリと目線を上げれば、俺の解している行為を見ながら遼平はユルユルとそそり立つ自分のモノを扱いていて……。  恋人の痴態にゾゾゾッと快感が全身を包んで、俺は両膝をキュッと合わせてその快感をいなそうとするが、中に入れた指を内壁が甘く締め付けて 「ン、ァ……」  堪らずといった感じで出てしまった喘ぎが合図になってしまったのか、遼平は屈んで中に入っている俺の指を手首を掴んで引き抜くと、無言で俺を立たせそのまま手首を掴んだまま自分の部屋へと連れて行く。  体も拭かずに出た俺達はビショビショのままで遼平のベッドへと上がると、すぐに押し倒され両脚を左右に割られる。 「……、ごめん。もう我慢の限界……ッ」  遼平も性急にチェストからゴムを取り出し勃起している自身に着けると、ゴムと一緒に出したジェルを手の平に出してそのままモノを掴んで扱き、開いた俺の蕾に押し当てて上下にクチュクチュと何度か擦り付けるとゆっくりと挿入してくる。 「ぁ、あ゛ッ……、~~~~♡♡♡」  やっと入れられる充足感に、シビビビビッと体中が喜んでいるのが解る。 「はッ……すっげぇ……」  遼平のモノを内壁がうねりながらしゃぶる感覚も自分で解って、もっと奥まで欲しくて絡み付きながら奥まで迎え入れる。  ピッチリと奥まで嵌まったモノが、そのままの状態で動かない。 「りょ……ヘ? ン、……な、んで……ッ?」  動かないんだ? と言わなくても解ったのか、遼平は俺の唇に軽くキスをしながら 「入れてから……ッ、三十分は……動けない、からッ……」 「マジで……?」 「マジ、で」  会話の振動でさえも響いて気持ち良いのに……、ここから更に三十分も動けないなんて……なんの罰ゲームだろうか?  俺の中でドクドクと脈打つ遼平のモノに、滅茶苦茶にされたい欲求が強過ぎて、俺は無意識に緩く腰を上下に動かしてしまう。 「クッ、ぁ……郁、哉……だからッ、動いたら、駄目……なんだって……」  緩く腰を動かしただけなのに、そこからビリビリと脳まで貫くような快感が走り、内壁が厭らしくクチュゥッとゆっくり吸い付くように遼平のモノへとキスする。 「あ゛……は、ぁ……グッぅ゛、ぅッ~~♡」  内壁が締め付けて遼平がギュッと俺を抱き締めた刹那。一瞬息を詰めた後くぐもった息を吐き出すと同時に、ビュッ、ビュルル~~ッ!とゴムに射精する感覚。  次いでは気持ち良さそうに、ハッ、ハァ~ッ。と遼平が息を吐き出して固まってしまう。 「………、狡い」 「ッ! ………ッしょ、しょうが無いだろッ! あんな締め付けられたら、誰だって……ッ」  耳元で恥ずかしさを隠す為に大きな声で喋る遼平は、ズルッと腰を引いて俺の中から出ていくと、素早くゴムを外してすぐに新しいのを装着すると 「……………、泣かす」  ボソリと怖い事を呟いて再び俺の中へと入ってきた。  今し方射精したばかりだというのに、既に遼平のモノはガチガチで……。そして一度達してしまったので、幾分か余裕さえも見えて……。  もしかしなくても俺、ヤバいんじゃ……?              ◇ 「イヤ……ッ動、か無い……でぇ……」  俺の予想通り、一度達した遼平はヤバかった。  再び挿入した遼平は、中で感じる俺の内壁にも堪えながら耐えると、お返しだと言わんばかりに挿入したまま乳首を甘噛したり、緩く腰を振ったりして俺を追い詰める。  けれど決して重く深くは腰を動かさない。先程言った通り三十分は挿入したままでいるらしい。  ユルユルと小さな火種をずっと絶やさずにいればどうなると思う?  それは徐々に大きな火になって、俺を内側から蝕んでいくのだ。  今は遼平に乳首に息を吹き掛けられただけでも中でイッてしまう。決定打の激しさが無い分射精には至らないが、メスイキを繰り返している俺は、頭に白いボヤが掛かる程度には何度もイかされ頭が回らない。 「動いて無いって……、自分で腰揺すってんの」  楽しそうに上からそう言う遼平の言葉に、自分で……? と思うが、すかさず伸びてきた舌先がピンピンピンと乳首を転がしビックンと体が跳ねる。  跳ねた振動でグリリッと遼平の怒張が前立腺を刺激して、俺はハクッと喉を仰け反らせガクガクと体を揺らす。 「あ゛~~~♡♡ 、イ゛ッでる゛……気持ち゛……良い゛~~♡」 「はぁ、可愛い♡」  言いながら遼平は俺の耳を舐め、空いている両方の指で乳首を弾くとギュウゥッと強く捻り上げる。 「乳首ッ♡ 、もっと、して……ッ♡ い゛っぱい……イジメて♡♡」 「もっと酷くされたい?」 「ンぅ……、して♡」  気持ち良い事で頭がいっぱいで、自分が何を口走っているのか最早ワケが解っていない。  遼平は俺の望み通りに、乳首をシコシコと上下に扱いて爪でカリカリすると、先程と同様にギュッと力を入れて摘む。  乳首をされる度に連動して内壁が遼平のモノをしゃぶって締め上げると、亀頭部分がグッと前立腺を圧迫する。それを何度も何度も繰り返しているのだ。 「あッ、あ゛~~~~……♡♡♡」  何度目かのメスイキで、体中の力が抜けてクタッとした俺に、遼平が緩く腰を動かせばビクビクと過ぎた快感が俺を襲って再び体に力が入る。 「……、ソロソロかな?」  遼平が呟き、ゆっくりと腰を引く。そうしてドチュンッ! と勢い良く怒張したモノが内壁を擦った途端、俺のモノからビュルル~ッ! と勢い良く白濁が溢れ出る。 「カッ、ヒュッ……♡ ぁ゛~~~ッ、イ゛、けたぁ~♡♡♡」  尿道から射精する気持ち良さにビクビクと全身が震え、俺は遼平の首に両手を回す。 「動くな?」 「はぁ、ぁ……♡ 遼、平ッも……イク?」 「ン、俺も……限界」 「一緒……イこ? ンぅッ♡」 「郁哉……」  パンッ、パンッ、とお互いの肌が打つかる音に煽られ、遼平の動きが早くなる。  俺の膝裏を自分の腕で持ち上げ、腰の位置が高くなると、叩き付けるように腰を打ち付け始める。その重く深い動きに俺はハクハクと空気を噛み締め、目の裏でバチバチと火花が飛ぶ。 「気持ち良いか?」  ハァッ、ハァッと荒い息に混じってそう聞かれ、俺は首に回していた手に力を更に込めると 「ぎ持ち、良い゛……♡♡ 遼平……キス、嵌めッじで……♡♡♡」  言い終わるタイミングで舌を伸ばすと、中に入っている怒張が更に質量を増す。  遼平はグイッと俺を起き上がらせると対面座位の格好になり深くキスしながら俺の腰を片方の手で掴み、もう片方をベッドへと伸ばして腰を振る。  俺もベッドヘ足裏を着け、遼平の体をしゃがんで跨ぐ形にすると恋人のリズムに合わせて上下に腰を振る。 「ンンぅ♡♡ フゥン……♡ ~~~~ッ♡♡♡」  唾液を交換しながら、内壁の奥を捏ねられ何度目かのメスイキでギュウゥッと遼平のモノを食い締めると 「グ、ウゥ……ッ」  堪らずといった感じで遼平が呻くので、強弱をつけて内壁でしゃぶれば再びドサリと押し倒されてしまう。 「ハッ……、も……イク……ッ」 「ンぅ……ッ、イッて? 俺ン、中……ビュ~して……♡」  俺の台詞に煽られて遼平の動きが早くなる。 「あ゛~~、イッ、ク……、イクッ、イクッ!」 「俺も……♡♡ ッあ゛、イ゛ッグ……♡♡♡」  もう一度俺の中で吐き出す感触を味わいながら、俺は意識を手放した。           ◇  目を覚ましたのはお昼過ぎ。  起きた直後に腹の虫が鳴って、俺より先に起きて遅めの昼食作ってくれていた遼平が、俺を起こしに来て笑われた。 「体、綺麗にしてくれてたんだな」 「爆睡してたから」 「ごめん……」 「イヤ……、ぶっちゃけさ三日目位からあんまりよく寝れて無かっただろ?」 「バレてたか……。ムラムラし過ぎてて……」  遼平の作ったパスタを食べながら、白状した俺に苦笑いをしながら 「大丈夫。俺も同じ理由であんま寝れて無かったから」  遼平も俺と同じ理由で睡眠不足だったのかと、少し安心していると 「で、どうだった? ポリネシアンセックスした感想は?」  興味津々で聞かれ、俺は視線を上へと向けてしばし考えると 「気持ち良かった。……、ケド遼平とするセックスはどれも気持ち良いからな……」 「グッ……何、その答え」 「え? 感想、だろ?」 「狡ぃンだよ……」  言いながらフイとそっぽを向く可愛い恋人に、俺はフォークに巻き付けたパスタを差し出すと 「この後は普通に抱いてくれるんだろ?」  ニコリと微笑みながら言った俺に対して、パクリと差し出されたパスタを食べながら 「その前に郁哉の部屋の掃除しないとな?」  と返され、俺はあ゛~~~。と嫌そうな声を上げる。 「俺も手伝ってやるし、それが出来たらご褒美あるから」  年下の恋人に優しく諭されながら言われて 「頑張ります……」  弱々しく返事をした俺の頭をポンポンと優しく遼平が撫でる。 おしまい。

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