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第0話【Prolog】

薄暗い、灰色の空は大地を育んではくれない。 草木が育たない大地は荒野のように荒れ果て、唯一の食料がとめどなく流れる川に生息する魚だけ。 そんな過酷な環境で育った人は逞しく、そして新たな生きる糧を見つけるべく、集落外を徘徊する得体の知れない、奇怪な形をした"化け物"を狩っていた。 化け物を狩る人───それを"勇者"と人は呼ぶ。 狩人のように薄暗い大地を駆け抜け、化け物を狩り、得た血肉で人々の腹を満たす。 それを勇者と呼ぶようになって早数十年、人はみるみると文明的に逞しく成長し、人々は次なる目標を掲げた。 遥か東の果てに見える天高くそびえ立つ塔。その塔へと至ればこの世界の心理を垣間見る事が出来るかもしれない。 そんな迷信めいた話を鵜呑みにした勇者達が今宵も旅に出る。 塔を目指して、果てなき冒険へ───。

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