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逆愛Ⅴ《嵐side》4

止めたシャワーからポタポタと水が垂れ落ちる音が響く。 俺が洸弍先輩を抱くのはこれで最後。 割り切らないといけない。 俺は洸弍先輩の濡れた顔に手を添えて、そっとキスをした。 冷えきった唇の中に舌を侵入させる。 洸弍先輩はそれに応えて舌を絡ませてくれた。 愛しい人とのキスも、これが最後になるのかと思うと胸が苦しくなった。 「は…ん…」 息をするときに洩れる声に欲情した。 俺はキスを止めて、その唇を洸弍先輩の耳へ移動させた。 「あっ、…ん」 俺は知ってる。 洸弍先輩の弱いところ。 数え切れないほど抱いてきたから。 「相変わらず耳が弱いですね」 「ん…う、るせ…アッ」 ビクビクしながら必死に耐えてる洸弍先輩は可愛い。 俺は耳を舐めながら制服のボタンを外して、指で乳首を弄った。 「アァッ!…ん、アッ、ふ…」 そして首筋に吸い付き、そのまま唇を乳首へと移動させた。 「や、あっ…」 寒いからなのか感じてるからなのか、勃っている乳首を舌で転がす。 余っている手で乳首を摘まんだり弾いたりすると、洸弍先輩の声が増す。 「アッ、…は、アァッ!んっ…」 そして乳首を攻めながら洸弍先輩のズボンを下げて、硬くなった洸弍先輩のモノを取り出した。 「先端凄いことになってますよ」 乳首しか攻めてないのに、容赦なく透明な液体が流れている。 俺は洸弍先輩のモノを扱きながら、ソレを口に含んだ。 亀頭を舌で舐め回して、扱く速度を速くする。 「アァッ!は、あっ!…んっ!アッ、アァッ!」 相当気持ちいいのか、俺の肩を掴む洸弍先輩の手に力が入る。 足にも力が入っているようで、少し震えている。 「アッ…は…イ、ク…!」 そう言って洸弍先輩は俺の口の中に精液を出した。 俺はそれを右手に出して、手に馴染ませた。 そして洸弍先輩の秘部に中指を挿入した。 「!」 すると、洸弍先輩の秘部から精液が溢れ出た。 ―…あぁ、ルイルイのか 「見る、なっ…」 「これならもう入りますね」 俺は指を抜いて自分のモノを取り出し、洸弍先輩の秘部に押し当てて挿入した。 ゆっくり挿入しなくても既に解れていて、直ぐに根元まで入った。 イッたばかりで息を切らしている洸弍先輩を容赦なく攻める。 グチュグチュと嫌らしい音がバスルームに広がる。 俺が出し入れする度に、ルイルイの精液が溢れ出る。 ねぇ、洸弍先輩 俺より良かったですか? 俺は未熟ですか? 俺じゃ先輩を満足させられないですか? 俺じゃ釣り合わないですか? 俺じゃダメですか―…? 「先、輩…」 ダメだって分かりきってるのに、こんなに感じてる洸弍先輩を見たらおかしくなる。 錯覚に陥る。 「大空っ、アッ…は、大空っ」 俺の首に両手を回して、愛しい声で俺の名を呼ぶ。 「大、空ぁ…」 ―…錯覚に陥る 「洸弍先輩、好きです」 愛されてる錯覚に。 「好きです…洸弍先輩っ」 だから馬鹿みたいに「好き」という言葉を繰り返した。 その瞬間、洸弍先輩は俺を見つめた。 愛しい。 欲しい。 終わりになんてしたくない。 「だ…まれ、アッ、ん…俺は嫌い、だ」 知ってる。 洸弍先輩が俺を好きじゃないって知ってる。 けど、俺は―… 「好き、です」 嘘がつけない。 この想いを聞いて欲しい。 「俺は…嫌い、だっ…」 俺の「好き」という言葉を書き消すかのように「嫌い」と繰り返す洸弍先輩。 気付くと洸弍先輩の目からは涙が零れていた。 ―…泣くほど俺が嫌いか 分かりきってたことだけど、理解したくない。 泣いてる貴方も綺麗過ぎて、見れば見る程に想いが募る。 好きと言えば嫌いだと返ってくるから、だから洸弍先輩にキスをした。 これ以上「好き」と言わないように、 これ以上「嫌い」と言わせないように、 お互いの制御のためのキス。 キスをしながら腰を揺らして、 吐息さえ愛しい。 でも、これでもう最後。 それが現実。 「は、アッ、…アッ!イ、ク―…」 「洸弍先輩っ―…」 そして俺達は同時に果てた。

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