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逆愛Ⅵ《嵐side》2

竜は俺の舌を掬い上げ、絡ませて唇を動かした。 「はっ…竜、何…」 唇を離した竜は俺の腕を掴みその場から離れ、図書室の奥の個室へと移動した。 そして俺を個室のソファーへ押し倒し、馬乗りになった竜が口を開いた。 「体なら満足させてあげられる。俺の髪、寺伝さんと同じ青色だから、俺を寺伝さんだと妄想してもいいよ」 「何言って…」 反論する俺の唇を再び奪われ、キスをしながら竜が俺の制服を脱がせていく。 ワイシャツのボタンも外され、肌が露になる。 すかさず竜は俺の肌に舌を運び、腹部から胸部にかけてツーッと舌を這わせた。 「…くっ」 「嵐には笑ってて欲しい。嵐の笑顔が好きだから…だから悲しい顔しないで」 そして竜は俺の乳首に吸い付いた。 「は…竜、っ…」 あぁ、雰囲気に飲まれる。 実際に洸弍先輩と終わったのは3ケ月前。 ということは、3ケ月してないってことになる。 脳は拒否してるのに、体が反応してしまう。 ―…雰囲気に、飲まれる 竜が右手を俺の股間へと移動させ、興奮して硬くなっているモノをズボンの上から摩った。 それに気付いた竜はソファーから降り、俺のズボンから硬くなった俺のモノを取り出した。 「待っ、竜!!…いいからそんなことしなくて」 慌てた俺は竜の青い頭を抑えた。 だが竜はお構いなしに、両手を使ってヌルヌルしたモノを扱きながら上目づかいで俺を見た。 「大丈夫だよ。俺、慣れてるから」 そう言って、綺麗な歌声を放つその口に俺のモノを含んだ。 「…っ!竜…」 竜の頭を離そうとするも、久しぶりに感じる下半身の快感の方が上回って力が入らない。 手と舌を使って、懸命に俺のモノを舐め回す竜の姿を見て興奮している自分がいる。 洸弍先輩と同じ香水と、 洸弍先輩と同じ髪色。 それだけで興奮するには充分だった。 「はっ…先、輩…」 竜を洸弍先輩だと妄想して、興奮して。 ―…何やってんだ俺は。 洸弍先輩から進んでフェラをしてもらったことは無い。 先輩が俺を神威だと妄想してるのをいいことに、俺が強引にさせてたくらいで。 竜を見てると、洸弍先輩が進んで俺のをくわえてるのだと妄想してしまう。 もう変態同然だ。 竜は舌を尖らせて裏スジを刺激したり、手と舌を使って俺の下半身を攻めた。 「――…俺、もう…」 「いいよ出して」 「―――…っ!!」 親友の口内に出してしまった罪悪感はあるものの、それでも妄想は止まらない。 相手は竜だ。 先輩じゃない。 頭では分かってる。 ただ、体が求めてしまう。 竜は自分でズボンを脱ぎ、口にある俺の精液を手の平に出して自分の秘部を自分の指で攻め始めた。 「こういうこと…誰としてたんだ?」 俺の問いかけに竜が笑顔で答える。 「内緒…」 その笑顔の奥は曇っていた。 過去に何かあったのかな。 「竜…やっぱり止めよう。俺のためにこんなことしなくていい」 すると竜はネクタイで俺の目を隠した。 「これなら俺を寺伝さんだと思える?」 まるで、竜は俺のよう。 洸弍先輩に目隠ししてたときの俺と同じ。 「嵐を癒したいだけだから…だから寺伝さんだと妄想して」 そして竜は俺にキスをしながら騎乗位の体制になり、腰をゆっくり降ろした。

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