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汎愛《洸弍side》1
忘れるために、ここに来たんだ。
綾 くんをこれ以上求めないように。
だから、逃げたんだ―…
「洸弍 !」
「綾くん!」
隣の家に住んでて、兄貴の親友の綾くんが昔から好きだった。
綾くんは俺の8つ歳上で、歌舞伎座の家元。
女形やるぐらい、綺麗な顔をしてる。
「久しぶり!講演終わったの?」
「あぁ。やっとだよ。マジ疲れた。…愁弥 は?」
「ゼミの集まりがあるから遅くなるって」
綾くんはいつも兄貴のことばかりだ。
まぁ、二人が付き合ってるっていうのは分かるけど。
4年前に偶然二人がキスしてるのを見たから。
ショックだった。
綾くんを兄貴にとられたことが。
俺は綾くんを独り占めしたいのに、
こんなにも好きなのに、
胸が痛い。
「ゼミ…いいなぁ大学。可愛い女たくさんいるんだろうなぁ」
綾くんは、本当は女なんて好きじゃないのに女好きなフリをする。
知ってるよ、俺は。
本当は兄貴のこと好きだってことも知ってる。
綾くんのことこんなにも知ってるのに。
なのに届かない。
結局は、兄貴の弟でしかない。
「来年は洸弍も高校受験だよな?やっぱ明北行くのか?」
「そのつもりでいるけど」
綾くんと同じ高校。
何でも同じがいい。
出来るだけ一緒にいたい。
なのに、何で俺は兄貴の弟なんだろう。
ずっとそんなことばかり思っていた。
綾くんに抱かれるようになったのは、中2の時。
兄貴がゼミの仲間と旅行に行った夏休みの時だった。
綾くんは俺の部屋で、酒を飲みながらゲームをしていた。
「ゼミってなんだよ。旅行ってなんだよ…愁弥のやつ」
兄貴は綾くんに旅行のことを言ってなかったらしく、綾くんは不機嫌だった。
酔ってるから余計に愚痴っぽいんだろうけど…
「綾くん仕事忙しかったから言えなかったんじゃないの?」
「だとしても有り得ねぇ」
…不機嫌だ。
「あームカつく!お前も飲め!洸弍!」
「やだよ。未成年に勧めないでよ。ゲームの続きしよう」
缶ビールを10個は空けている綾くんは確実に酔ってる。
「はぁ?」
俺の発言が気に食わなかったのか、綾くんがコントローラを置いた。
「お前は俺の言うことが聞けねぇのか?」
「だって、飲みたくないもんは飲みたくないよ」
そして綾くんは缶ビールを開けて、俺の顔を押さえて無理矢理ビールを口に流し入れ始めた。
飲みきれない俺の口からは、ビールが流れ零れる。
1缶流し終えて、殆んど口には入らず俺の服はかなりビールで濡れてしまった。
「ちょ、有り得ないよ!」
「有り得ねぇのは愁弥だ!洸弍、お前も俺の酒が飲めねぇのは有り得ねぇ」
本当、酔ってる。
悪酔いもいいとこだ。
「嫌いだよ。酒なんて」
そして綾くんは新しい缶ビールを口移しで俺に飲ませ始めた。
「んっ!」
その行動に驚いたけど、綾くんの唇の感触が嬉しかった。
俺も酔ってるんだろう、抵抗すらしなかった。
ビールを捨てて、キスが始まる。
吐息まじりに舌を絡ませて。
キスが終わると、俺は綾くんに抱きついていた。
「綾くん…好き」
その言葉は綾くんに火をつけてしまったんだろう。
綾くんは自分のズボンを下げて、硬くなった自分のモノを出した。
「おっきぃ…」
「俺が好きならくわえろよ」
綾くんのモノを握って、少し躊躇ってしまった。
男の人のモノをくわえるなんて―…
躊躇していると、綾くんが俺の頭を掴んで無理矢理フェラをさせられた。
「んっ…」
「躊躇うなよ。俺が好きなら態度で示せ」
綾くんは手を放した。
俺は初めてだったけど、口を上下に動かした。
「動かすだけじゃなくて吸うんだよ。締め付けろ」
「もっと手と舌を使え」
綾くんはビールを飲みながら要求し、俺の奉仕姿を見ている。
俺も必死に頑張った。
物足りないのか、綾くんはまた頭を掴んで無理矢理動かした。
「んっ…んんっ!んっ…」
「あ、イキそ」
そして綾くんは俺の口に精液を出した。
「溢すなよ。俺が好きなら飲めるだろ」
俺は頑張って飲み干した。
「イイ子だ」
そう言って綾くんはキスをしてくれた。
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