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ニギハヤヒ編・4

「てっめぇ……」 「儂じゃないぞ? おいたが過ぎるお前が悪い」 「はっ、元はと言えばアンタが誤解する様な電話を寄越したのが悪いんだろが。害意のある奴だとばかり……ッ思ってた」  朝陽の言葉にニギハヤヒが「ふむ」と言って顎に手をやる。 「まあ、それは間違えてないぞ」 「は?」 「番になろうと決めたのは実際お前に会ってからだからな。それまでは切り捨てるか悩んでおった。従順過ぎる輩だったら即切り捨ててたわ。番であろうと関係ない」 「は……っ⁉︎」  それでも神か、と言い掛けたが史上最大の祟り神と書かれていた文面を思い出して、朝陽はゾクリとした悪寒に見舞われた。 「変わった物を着ておるな」  ボタンの外し方が分からないのか、シャツとズボンのホックをちぎられ、服は全て無造作に畳の上に投げ捨てられた。 「こんな……とこで、ヤル気かよ」 「可愛くおねだりでもしてみるか?」 「誰、が」 「シシシ、だろうな」  喉を鳴らして笑った後で首筋に口付け、ニギハヤヒは朝陽の反応を見ながら全身に掌を滑らせていく。昂った体にはそれすら刺激的で、一々体をビクつかせる朝陽を見ているだけでも楽しそうに、ニギハヤヒは口角を持ち上げた。  だが直後、何かを思案するように自身の顎に手を当てている。 「気が変わった。おい、朝陽……許可を出せ」 「何の?」 「お前を孕ませたい」 「嫌だ」  ここで孕ませられるくらいなら、家に帰ってあの四人のどちらかを選ぶ。 「なら、良いものをやろう」  頭を擡げ始めている朝陽の陰茎を握り込んだかと思いきや、ニギハヤヒはそこの根元に霊糸で創り出したコックリングの様なものを嵌めた。縛られた感覚に朝陽が息を呑むと、ニギハヤヒはニヤリと笑みを刻んだ。濡れそぼった朝陽の後孔に指を当てがい内部を擦り上げる。二本〜三本と増えていく指が朝陽を絶頂へと誘った。 「いっ……!」  しかし肝心な絶頂は訪れず、戒められた根本がきつくなるばかりでイけない。このリングが何をする為のものか、漸く知る事が出来た朝陽は焦った。リングを嵌められている限り朝陽はイク事を許されていない。 「気がついたか」 「と、れ」 「お前が孕みたいと言えば解いてやるぞ」  内部をかき回しつつニギハヤヒが前立腺を刺激していく。空いている手で朝陽の陰茎を握り込み直接刺激を与え始めた。 「あっ、あ、ああ、ん、嫌だ……ッ、ああ、やめ……ッ、触る……な!」  もう限界も近かった。そこへ陰茎の先端を押し当てられてしまい朝陽は体を硬直させる。 「いっ、ァア、ああ!」  一気に奥近くまで貫かれ、朝陽が暴れた。バチンと音がしてニギハヤヒがかけた金縛りが解ける。朝陽は快楽と苦痛の狭間で喘ぎ叫んでいて、金縛りが解けた事にも気がついていないようだった。 「これは見込んでいた以上だな」  ニギハヤヒが朝陽の細腰を両手で掴んで前後に揺らすと、朝陽は背を逸らして嬌声を上げ始めた。中だけで達しながら終わりのない快楽に落とされる。 「んんん、ああッ、あっあああ、あーッ! ニギハヤヒぃい、前外して……! イキ……ッたい、もう……イかせてくれっ!」 「儂の子を孕むと言え」 「いや、だ! んぅ……、ん」  潜り込んできた舌に内部の上顎と歯列を舐められる。口内の性感帯を刺激されていると、もっと奥へ入ろうと腰をグッと押し付けられて朝陽は体を震わせた。 「待って……ッ、嫌だ。待ってくれ、今そこに……入られると……っ、ひ、あ、あああ!」  朝陽の言葉を遮るように結腸も開かれ、グプグプと鈍い音を響かせて律動される。 「この薄い腹によく収めているな」  笑いながらそう言い、ニギハヤヒは朝陽の下っ腹を撫で上げた。  それと同時に掌に光る球体を九つ浮かべて朝陽の胎の中へ全て押し込む。突然胎の中が熱くなった朝陽は目を見開いた。

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