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第19話*

由磨は指にたっぷりとローションを馴染ませ、僕の後肛に触れた。 ツプッ…………… 僕の中は驚くほど簡単に由磨を受け入れた。 「っん………ゆうま………」 「うん、すんなり入ったね……指増やすよ。」 指が2本に増え、ぐちゅぐちゅと僕の中を掻き回す。優しく、丁寧に、僕の中を広げていった。 そして、ある一点を触れられた時、今までとは違う刺激に僕は思わず声を上げた。 「んぁっ……ゃ……そこ………」 「ここが気持ちいいの?じゃあもっと触ってあげるね」 その時、脳裏にあの男の言葉が過った。 「ここが由妃ちゃんの良いところかぁ。おっけ〜。もっと突いてあげる………」 「はぁ…はぁ……はぁ……やだ…やめて……」 そう思った途端、急に息が苦しくなった。 今まであの男の事なんか忘れていたのに……… どうしてこんな時に思い出すんだ………… 忘れたかったのに…… 苦しいよ…………… 「由妃、大丈夫?ちゃんと息して。落ち着いて。大丈夫、僕が側にいるよ。怖い事は何も起こらないよ。」 「はぁ……はぁ…ゆ…ゆうまぁ………ゆうま…」 「ごめんね、僕のせいだね。今日はやめておこうか。」 そう言って僕を抱きしめ、優しく頭を撫でてくれた。……でも、違うんだ。 僕が欲しいのは……… 「やだっ……なんで…なんで…………… やだよ……由磨じゃなきゃ…やだ……」 「でもこれ以上は辛いでしょ。また今度にしよ」 それでも僕は今日が良かった。 今日じゃなきゃだめなんだ……… 由磨に全部消してほしいんだ………… 「やだ、今日がいい……由磨がいい………」 駄々を捏ねる僕に、由磨は困った顔をしながらこう告げた。 「……わかった。辛くなったらすぐ言ってね。すぐ止めるから。無理しないでね。」 再び僕の中に由磨の指が入ってきた。 今度はゆっくりと… でもそれがもどかしくて… 「ゆうまぁ………もっと…奥………」 「っ………由妃、僕を煽らないでよ…… じゃあ、もう少し奥まで入れるよ…」 さっき気持ち良かった場所を探り当て、トントンと何度か刺激された。その度に奥が疼いて仕方ない。 「ぁんっ………ぁっ……ぁっ……」 自然と出る自分の声を止める術はわからない。 ただただ感情のままに声を出し続けた。 でも、もうそれだけじゃ足りなくて…… 「ゆうま……もぅ…ゆうまの……入れて……」 「……ん。じゃあゴム着けるからちょっと待っててね。」 そう言って額に軽くキスを落とし、由磨は自分のモノにゴムを着けた。 「由妃………入れるよ……」 「うん……きて、ゆうま…‥僕の中に……」 「……くっ、………由妃…」 僕たちはその日、一つになった。 世間では絶対に認められない関係だとわかっていたけど、止められなかった。 僕たちは消えない愛を残した。

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