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第33話
***
ここはどこだろう………
光が全くない世界。
外界とは隔絶された閉ざされた空間。
走っても走っても先には何もない。
誰も居ない。
僕は……
***
ハッと目を覚ますと、昨日と同じ天井。
でも自分の部屋ではない。
そう……きっとここは………
「お目覚めかな、由妃」
「………」
「どうしたんだよ、昨日はあんなによがり狂ってたのに今日はご機嫌斜めだな?」
「……僕を…ここから出して」
絞り出した声は、今にも泣き出しそうなほど震えて頼りない声になってしまった。
「それは無理だな、これからは一生一緒だぜ」
「……一生……?」
「そうさ、ここは地図にも載ってない特別な場所。どう頑張っても探すことは不可能だ。」
それって、もう由磨にも会えないって事……?
そんなの、そんなの嫌だ………
「だったらこんな鎖今すぐ取ってやる!僕は由磨に会いに行く!」
ガチャガチャと手足の鎖を揺するが、手も足も拘束されている為、実質何の抵抗にもなっていない。
「この間の由妃のイヤらしい姿見て、由磨も呆れてるんじゃね?」
「くっ……あれは、僕が望んでしたことじゃない!由磨は……由磨は僕を見捨てたりしない!」
「本当にそう思うか?」
「…………え?」
雅由の思いがけない言葉に僕は動揺を隠せなかった。そんな事思いもしなかった。でも、由磨なら僕を信じてくれるはず。………だよね?
「知らない奴に犯されて、善がってる姿なんて、気持ち悪いぞ?由磨も軽蔑するんじゃないか?気持ち悪い、汚いって。」
「そ、そんなこと……………」
「言葉では嫌がっても身体は正直だったぜ?どんだけイカされても由妃のアソコは勃ちっぱなしだったし」
「ちがう、ちがうっ………」
「……由妃は淫乱なんだよ」
淫乱………
そんなはずない……
本当は由磨以外には触れられたくないのに。
由磨だけなはずなのに………
「僕は……僕は…」
「素直になれば楽にさせてやるよ」
雅由の言葉は悪魔の囁きのように、
甘く魅惑的に聞こえた。
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