36 / 36

第36話**

僕は、あの人のもの……… だから抵抗してはいけない。 「ぁっ………ぁぁっ……んっ…ぁん………」 「いいぜ、由妃!もっと声聞かせろよ」 僕は何してたんだっけ。 この声は僕? 「可愛いなぁ、由妃。気持ちいいか?」 「ぁっ…ん………きもち……ぃぃ…んぅ……」 そうだ、気持ちいい事をしてるんだ。 この人の言う通りにしていれば気持ちよくしてくれるんだ。 「ハハっ、今キュって中締まったぞ?そんなにイイのか?」 「んぅ……も……もぅ……イく………」 「俺も、そろそろ……イくぞ……」 中を擦られて、僕の良いところを刺激されて、 なんて気持ちいいんだろう。 ピンポイントで何度も中を刺激され、何かが込み上げてくる感覚がある。 あぁ、もっと、もっと欲しい……… 「ぁっ…ぁっ……ん…くる…イッちゃ………」 「くっ………中に出すぞ……」 ドプッと中に男の愛液が注がれる。 同時に僕もピュルッと射精した。 最後の一滴まで僕の中に馴染ませるように、イッた後もじっくりと中を掻き回した。 「俺の子を孕めばいいのにな……」 そんな事は無理だとわかっている。 それでも愛おしそうに、僕の頬を優しく撫でて、ねっとりと熱い視線を浴びせてから口付けをしてきた。 僕が良い子にしていれば、 男の言う通りにしていれば、 優しく愛してくれる。 気持ちいいことだけしてくれる。 僕は何かに囚われたように、心に蓋をした。 何も見ないように、何も思い出さないように。 目の前の男に、ただ従った。 それが間違った選択だと、本能ではわかっている。 でも、正気を保ってられるほど僕の心は丈夫じゃなかった。このままだと僕自身が壊れると判断したのか、本当の僕は心の奥深くに沈み、出てこなくなった。 それから、僕と雅由の狂った性活が始まった。

ともだちにシェアしよう!