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第14話

爽良からの目線がずっと僕に向いている気がするんだけど気のせいだろうか? サングラスと帽子を被っていても僕ってわかるもん? てかこんな怪しさ満点な格好って寧ろ目立つんじゃ!? まあ別に僕ライブを楽しむために来たんだし気にすることじゃないか。 ライブもいよいよ終盤に差し掛かろうとしている。 もうこんな幸せな夢の時間が終わってしまうのかと少し寂しい気もするけど最後の最後……僕は全力で団扇とペンライトを振るぞ! 『最後の曲はバラードなのでペンライトをゆっくり揺らして頂けると嬉しいです』 うお……危ない。団扇を思いっ切り振るところだった。 『〜♪その瞳を僕だけの――』 り、り、莉羽が……莉羽の声が……なんて美しんだー!!! 『〜♪二度と離さない――』 ん……?莉羽がこっちを見てる……? しかもなんでそんな鋭い視線で!? まるで「なんでお前がいるんだよ」って目をしている気が…… 来ちゃマズかったかな……?怒られる……? これはフランスパンを買って帰るべきだ。少しでも機嫌をとらないと……こ、こ、殺される。 『みんなー!今日はありがとー!最高のライブだったよー!愛してるー!』 ライブも終わって会場を出ようとした時、スタッフらしき人に止められた。 「あ、あの……爽良さんが呼んでるので一緒に来て頂けませんか?」 「そ、爽良が?な、なんで……?」 「あなたにお話があると」 まあ僕もお礼言いたかったしちょうどいいや。 控え室らしき所へと連れてこられて中へ入ると爽良が待っていた。 「来てくれたんだね」 「そりゃもちろん!あ、あの……この間ちゃんとお礼言えてなくてすみません。ありがとうございました!おかげで幸せなライブを拝めました!」 「アハハ、よかった。てか団扇すごい嬉しい」 「ああ……!これよかったらいります?」 いります?って僕はなんちゅー言い方を! LieN様だぞ?僕の馬鹿野郎。 「もらおうかな。家宝にするよ」 「か、か、か、家宝!? そ、そんなおこがましいです!ムリムリ!」 「おこがましいって……僕達だって同じ土俵に立ってる人間だよ?そんな風に思わないでよ」 いやいや同じ土俵に立てちゃダメでしょ。 「そ、それで……呼んだ理由は……?」 「あ、そうそう。僕と連絡先交換しない?」 え、え、えー!? 爽良と連絡先なんて交換しちゃったら僕LieNのメンバー二人の連絡先ゲットしちゃうことになるんだけど!? でも莉羽のこと聞きたいし連絡先教えても…… 「は?無理だろ」 「え……り、り、莉羽くん!?」 どこから湧いて出てきたの!?

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