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第1話
「あの、これ…、、。」
おずおずと手渡される、手作りのお菓子。
「うん、ありがとう。」
そうにこやかに言って、受け取っていた。
「あの、す、好きです!つ、付き合ってください!!」
「ごめんね、俺、実はゲイなんだ…、でも、内緒にしといてね。」
そう言えば、大体の女の子は去っていくから、狙い目の女の子だけを残すのは、容易かった。
そんなやりとりを、何年も何度も繰り返した。
つるんでた奴らと、貰った何かしらを食べては、女の子を食い焦る日々だった。
そんなある日。
「ウマ、見かけによらず、ウマいね。」
「それどっちの見かけよ。」
「こっちは見た目いいもんな!」
貰ったものを友達と食べている時だった。
モサッ、、
「ウッ?」
食べた物の中に思いもよらないものが入っていると、人は嫌な気持ちになるだろう?
柔らかなケーキの中に入っていた、ソレ。
そして、ソレが何かが分かった時、俺の世界はひっくり返った。
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「これ、作り過ぎたから、食べて。」
「あ、いつもすいません、ありがとうございます。」
隣の部屋の女が持ってくる物は、いつも綺麗に飾られ、食欲をそそるだろう見た目と匂いをさせている。
ここに引っ越してから半年。
多分、他の男なら、さっさと部屋に上がり込んでヤッてる頃だ。
だが、俺はその中身を何かしらの袋に入れて、空の容器を流しに置く。
鍋から昆布を取り出して、骨ごとぶつ切りにされた鶏肉と根菜を鍋に放り込む。
火を付け、風呂のスイッチを入れた。
溜まった昆布を何にしようか考えながら、スーツを脱いでシワを伸ばし、ヨレた部屋着と洗った下着を持って風呂に向かう。
が、ある事を思い出した俺はそれを床に放り投げて、バッグの中から取り出した何かの包みを燃えるゴミの袋に入れた。
頭からシャワーを浴びると、ホッとする。
今日一日染み付いた汚れが取れて行くようで、気持ちがいい。
これで少しは自分の体が、昨日よりも綺麗になった気がした。
風呂から上がると、いい感じに鍋が沸いている。
野菜を入れて、ああ…今日は焼きおにぎりにしようと、ラップに包んでおいた朝の残りのご飯を丸く握り、少し醤油を垂らしてグリルに入れた。
ビールを開けて、ゴクゴク飲む。
至福の時だ。
その幸福感が薄れないうちに、朝の食器と隣の女のタッパーを洗う。
余計な仕事を増やした女に嫌悪感さえ湧くのは、仕方がない事だ。
見るからに濃い味付けに、化学調味料や香料の匂いのする自己主張の塊のような料理。
悪い訳じゃない。
だけど、俺には合わないんだ。
心の中で目的を達する事の無い食材達に手を合わせながら、鍋に塩を入れる。
3分のタイマーをして、懸垂を始めた。
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「あの…、これ…。」
その日手渡されたのは、小さな紙袋だった。
「あ、ああ、ありがとう。」
またか、とは思わなかった。
何故なら相手は体格の良い男だったからだ。
身長はあまり変わらないが、なんか運動でもしてるんだろうか、分厚い体だ。
周りにこんな男はいないし、どこかで接点があったようにも思えないし、男に好かれた事もない。
男から貰うのは、流石に始めてだなあ…。
んで、他に何か?まさか、付き合ってとか??
はん、…絶対無いけどね。
そんな風に思っていた俺の頭は、次の言葉で凍りついた。
「自分、あの、あ、宛先見ないで開けてしまって!」
「………、、、。」
まさか…。
中々来ないな、とは思っていた。
まさか、そんな…。
いや、重さ的に、アレに違いない。
見られた……。
………極太ディルド…。
とにかく、口止めを!!
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「ちょ、、ちょっと、あの、と、とととりあえず中に…。」
骨っぽい手が意外と強い力で腕を引いてきた。
「イッ?いえ!自分、その、そっちじゃ無いんで!」
「お、俺も違いますから!!」
後で誤解されるのは嫌だからと、誤配された物を届けに来たのだが。
「え?でも、そんなの…、いえ、見てません!」
中身は酷く卑猥なモノだった。
「見てるじゃないか!ちょちょっと、ここじゃ人目が…。」
「自分もそう思われるのは、ちょっと…。」
「だから!違います!」
「しー!玄関先でおっきい声あげて、不味くないですか?」
「だ、だから、入ってくださいって…。」
「でも、……。」
その時、部屋の中から漂って来たのは、旨そうな匂いだった。
「………。」
釣られるようにして、シュウは玄関に入った。
バタンと閉められた玄関のドアの中で、無言の気不味い空気と、旨そうな匂いが流れる。
「あ、あの、この事は、内密に…。」
「いや、別に誰にも言うつもりは…。」
「は?言うつもり無かったら、返しに来ないでしょ?普通に考えて、脅しに来たんでしょ?」
「は?…、、貴方の普通って、不憫ですね。」
「ふ、不憫って…。」
その時、部屋の中からジュワワという音がした。
「うわっ!!ちょ、ちょっと、失礼!」
目を見開いて大急ぎで部屋に戻って行く。
薄く開いたドアの隙間から、あー、、という残念そうな声が聞こえる。
泣きそうな顔をしながら戻って来た人は、更にいい匂いをさせていた。
グウウウ…。
「あ、あう、…、その…。」
「……。」
思わず反応した自分の体に、顔に血が昇るのを感じた。
「…う、旨そうな匂いっすね………、、。」
恥ずかしさを誤魔化す為に、取り敢えず話を振る。
「………、食べる?」
「え、いいんすか?」
「それで、見なかった事にしてくれる?」
「はい!」
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グチュグチュグチュグチュ…
「ハァ、あっああ、、そこ、ばっか…、やめ、出ちゃう、出ちゃうから、だめえ、、ヒッ、、アアッ!!…う、……ううん、やあ、あーー、やああーー。」
「潮吹いちゃウなんて、スケベだなぁ。可愛い。もっと出して。」
グリグリ…、コリコリ…、
「あう、も、で、出ないよ、やめて、胸、やめてえ、、あっ、ああ、やああ!」
「胸も可愛い。こんなに真っ赤になって、コリコリだ。」
ヂュ、、チュウウ!!
「ああん!それ、ダメ、ソレ、、ああっ、吸わないでえ。」
「ああ、マサさん、全部入れていい?ああ、ごめん、入れるね?」
ズブズブ…ググウ…、、
「ダメ、ヒ、イイ、あっ…め、ああっ、、ウアアッ、アアアアッアアーーー!!!」
グプン!!
「ッーーーー!!!、ーー、、アグッ、アッアッ、アアッ、アアアア!!」
「うう、あんまり、締めないで、、また、出そう…、、っーー、ごめん!」
パンパンパンパン…
「アッ、アア、ウグウ、ーーー、アウ…、、い、いく、、あっ、いく、イクーーー!!」
「ごめん、無理。」
ドチュッドチュッドチュッ!!
「ヒッ、ヒャア、らめえーーー!!」
パンパンパンパン、ズパン!ズパン!ズパン!
「アアッ、、ッーーー、カッ、、アグ…、、うう…。」
俺はこの日、処女を奪われ、『らめえ』の世界が現実にある事を知った。
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