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場野くんの家は連れ込みお宿ですか

 バイクに乗せられ、場野くんの家にのこのこ来てしまった。 「お邪魔します····」 「その辺テキトーに座ってろな」 「うん」 「····おい。なんでそんな暗い顔してんだよ」 「健全な高校生男子の、快楽に対する欲への素直さに嫌気が差してるの」 「はぁ? んだそれ。欲にっつーかお前さ、俺の事もう好きだろ。じゃなかったら、抱かれんのわかってて来なくね? もうお試し期間なんか要らねぇだろ」 「何言ってんのさ!? まだ好きって決まってないよ。今でも、えっちするなら女の子の方が良いと思ってるもん」  トンッと肩を押され、あっけなくベッドに押し倒される。場野くんは僕に覆いかぶさり、激しく音を立てながらキスをしてきた。  少し怒っているのか、なんとなくだけど雰囲気が怖くなった。 「んはぁっ····んんっ····ふっ····んぁっ······」 「こんだけでヘロってる奴が、女なんか抱けるかよ」  キスひとつで思い知らされる。先走りで下着が濡れて気持ち悪い。 「キスだけでイクなよ?」 「んはぁ····イってないよぉ」 「でも濡れてんじゃん」  いつの間にかズボンを下ろされ、硬くなったモノを弄られていた。  しつこく指で、亀頭をぐりぐりされる。おちんちんを扱かれると、潤滑油が良い感じに機能している所為で、気持ち良すぎて声が我慢できない。 「やぁっ····ダメ、だよ。イッちゃう····んっ、あぁん」 「ははっ····、感じすぎだろ。まだ挿れてもねぇのにどんだけヨがってんだよ。お前、自分でシた事ねぇの?」 「んぇ? 自分で? よく、わかんなくて····んんっ、あんまり、した事ない」 「っそ。あー····これ無理だわ。我慢出来ねぇ。ちょっとだけ弄るぞ。痛かったら言え」  そう言って、たっぷりとローションを垂らし、お尻の方を解し始めた。 「ちょっ、やだぁ····僕、ホントに挿れられる方なの?」 「マジでお前が突っ込む気だったんかよ」  場野くんは、雄の顔のまま僕の強がりを笑った。そんな顔をされたら、本能的に雌になってしまうじゃないか。 「俺がお前に挿れてぇ。····ダメか?」  耳を喰むりながら言うなんて、狡いにも程がある。 「いい····よ。でも、痛くしないでね」  なんて、可愛い事を言ってしまったんだ。  前フリか? そんな事言って『我慢できねぇ』『加減できねぇ』の前フリなのか? 脳内で瞬時にくだらない妄想が繰り広げられる。 「バカかお前。お前に痛い思いなんかさせねぇよ。じっくり慣らしてからだ。そうだ、洗浄もしねぇとだし····。ま、俺が全部やってやるから安心しろ。風呂場行け」 「····ふぇ?」  いっぺんに言われて、何一つ理解できなかった。 「······無理か。よし····」  僕はお姫様抱っこをされ、浴室へ運ばれた。  しっかりきっちり綺麗にしてもらい、もう身も心も擦り減っていた。洗浄は苦しかったし辛かったけど、丁寧で優しくしてくれて、気持ち良い事も織り交ぜながらだった。そのおかげで、グズグズのままベッドに戻った。 「身体、大丈夫か?」 「むりぃ····」 「そうか。じゃ、そのまま寝てろ」 「うん、ごめんね」 「いいって。後は俺に任せろ」  僕はそのまま、少しの間眠ってしまったようだ。この間に、僕のお尻を解していたなんて、夢にも思わなかった。  目が覚めると、ギンギンに滾らせた場野くんが、息を荒くして構えていた。 「ぅわ! ど、どうしたの?」 「フゥー······黙ってケツ向けろ」  あまりの気迫に、何も言えぬまま素直に従った。 「ゆっくり挿れるから、痛かったら言えよ」 「待っ──」  くちゅっと音を立て、場野くんのガッチガチのモノを押し当てられた。僕のお尻が、キュッと先っちょを吸い込んだのがわかった。 「んっ····」 「挿れるぞ」 「ひぐっ、んあぁぁっ」  おそらくだけど、亀頭がすっぽり入った気がする。 「痛くないか?」 「んんっ、だいじょぶ」  入り口でぬぷぬぷと、馴染ませるように小刻みに動いている。なんだか、焦れったいようなもどかしいような。 「もう少し挿れるぞ」 「うん。んふっ····はぁっ····」 「力抜けるか? ゆっくり息吐いてみ。ゆっくりでいいから」  場野くんに言われた通り、懸命に息を吐く。少し落ち着いた所為か、場野くんの形を感じてしまった。 「おい、あんま締めんな。マジでもってかれる····」 「わかんないよぉ。場野くんのが入ってるって思ったら、勝手にキュってなっちゃったのぉ」 「マジかぁ····。もうちょい挿れるぞ。耐えろよ」 「えっ、まだ無理だよ。怖いよぉ····」 「悪ぃ、もう我慢できねぇ」 「い゙っ····っひあぁぁぁん」  一気に奥まで捩じ込まれ、あまりの快感に目がチカチカした。思っていたよりも痛くなくて、むしろ気持ち良くて、一突きでイッてしまった。  脱力してしまい、下半身を残したままベッドに顔を埋めるように落ちた。少し気になって、チラッと場野くんの顔を覗き見た。余裕そうな声とは裏腹に、全く余裕のない表情が見えた。 「場野くん····やだぁ、僕、イッっちゃったよぉ······」 「ん。そんでいいんだよ。じゃ、動くぞ」  後ろ手に腕を引かれ、腰を支えられて四つ這いに戻った。 「んあぁっ····やぁっ、やんっ······またイッちゃうぅぅ」 「いいぞ。ほら、イけよ」 「やだっ、もうだめぇ····」  腰を打ちつけられる度、部屋にパンッパンッと音が響く。ぼんやりとした思考の片隅で、ぐちゅぐちゅと厭らしい水音も混じっている事に気づく。 「場野くぅん····」  自分でも、顔も身体も脳までも、蕩けているのがわかる。 「結人、俺も、イクぞ······ん゙っ」  耳元で囁くように言われ、腰からゾワッと快感が走り、一緒に達してしまった。のだが、僕はもう何も出なかった。でも、イッた感覚はある。不思議だ····。  僕の記憶は、そこで途切れてしまった。  ぐっすり眠ってしまい、7時に起こされ慌てた。 「おはよ」 「お、おはよ。······帰るね」  焦った僕は、衣服も整えないまま、ベッドから降りようとした。だが、腰に力が入らず、立ち上がることすらままならない。 「大丈夫か? ほら、着せてやっから貸せ」  場野くんは、献身的に僕のお世話をしてくれた。身体が綺麗なのも、きっと場野くんのおかげなんだろう。 「あの、ごめんね。寝ちゃったみたいで····」 「寝たっつーか、イキ過ぎて気絶した感じだったぞ」 「····そんな事あるの?」 「あったんだろ」 「そっか····。もうシない。絶対シない」 「なんで? 気持ち良かったんだろ? 俺はすっげぇ気持ち良かったんだけど」  ぐっと抱き寄せ、甘くねっとりと囁く。そんな事をされると、ゾワゾワして身体が変な感じがする。嫌じゃないけど、なんだか落ち着かなくなる。 「ぼ、僕も気持ち良かったけど、やっぱりまだ····」 「なぁ、早く俺のコト好きなん認めろよ。もっとデロンデロンに甘やかしてやんのに」 「これ以上に····デロンデロン····」  僕は、色々とふしだらな事を想像してしまった。  その間にも、場野くんは断りもなく、キスをしたり胸を弄ったり、やりたい放題だ。 「んっ、あんっ····だめぇ····」 「もう1回していいか? 身体しんどい?」 「はっ!! 身体は大丈夫だけど、帰らなくちゃ!」 「まだ7時だろ」 「僕、遅くても6時には帰ってるんだけど。母さんに心配かけたらまた····」 「はぁ····。そうか。送ってやるから、服整えろ」 「え、うん。ありがと」 「別にお前を困らせたいわけじゃねぇからな。お前の母さんが大変なんは知ってるし」 「············なんで?」 「秘密だって言っただろ」 「もう、怖いよぉ····」 「何もヤバイ事はしねぇから安心しろ」  どこに安心できる要素があるのだろうか。  とにかく、急いで帰らなくちゃ。そう思うと、ボタンもまともに留められない。 「貸してみ。ほい、できた。ちょっと落ち着け」 「ごめんね。ありがとう」 「いや、いいよ。お前優しいもんな。ほら、行くぞ」  何故なのか、理由は追々問い詰めるとして。本気で僕も母さんの事も、心配してくれているみたいだ。  けど、場野くんの優しさを知る度に惹かれている事は、まだ教えてあげない。

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