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満を持して、さっくん

「終わったか? お前ら、場所は弁えた方がいいと思うぞ」  草むらから現れたのは、同じクラスのぽやっと王子こと瀬古くんだった。 「おー、瀬古か。ビビった····」  それが知人であったことに、りっくんは胸を撫で下ろした。何一つ、安心できる要素はないのだが。 「(さく)はこんなトコで何してんの。えっ、草むらから出てこなかった?」  震えた声で、啓吾が聞いた。 「あぁ、この橋の上から落とした物探してた」 「えー······っと、いつから?」  僕は、恐る恐る聞いた。 「武居と場野がヤり始める前からだな」  僕は、膝から崩れ落ちた。 「ゆいぴ、気持ちはわかるけど····膝大丈夫?」 「もう、何も大丈夫じゃないよ····」  終わった。複数でエッチを楽しんでいる淫乱とでも思われただろう。バラされたらどうしよう。親に知られたら、学校で広まったら、そんな事を考えると怖くなって震えてきた。 「大丈夫だぞ、武居。何も心配しなくていい。()()()()、バラしたりしないから大丈夫だ。その代わりと言ってはなんだが、俺も混ぜてくれ」 「「「「······はぁ?」」」」  見事に全員でハモった。驚きのあまり、震えもピタッと止まった。 「とりあえず、ここで一度抱いていいか? 脅すようで悪いが、コレを治めたい」  そう言って瀬古くんはおもむろに、ボロンと大きく膨れあがったモノを取り出した。 「えっ、デカッ····じゃなくて、ちょっとタンマね。ちょーっと待ってて」  啓吾が、僕を庇うように一旦距離をとった。その間も、瀬古くんは大きなソレを軽く扱いている。非常に恍惚な表情を浮かべているが、状況からしてとんでもない変態じゃないか。  啓吾がコソコソと話し始める。それに従って、小声での会議が始まった。 「なぁ、これマズくねぇ? アイツ変に真っ直ぐだからさぁ、ここで拒否ったら完全に脅しに切り替わりそうじゃね?」 「マズイねぇ····この関係がバレたら······」 「よし、妥協案だ。朔は、変だけど悪いヤツじゃねぇ」 「あれ? 八千代、瀬古くんと仲良かったっけ?」 「おう。小学校ん時から知ってる。面が良いから王子とか言われてっけど、ぽやっとしてて先の事は何も考えてねぇ。ただの変なヤツだ」 「えー····僕の貞操の危機なんだけど」 (みんなが僕を犠牲にしてでも乗り切ろうとするなんて、瀬古くんってそんなに変な人だっけ?)  僕も、瀬古くんとはそれなりに仲良くしてたつもりだった。ぽやっとした所はあるけど、そこまで変な人とは思わなかった。  だが、チラッと瀬古くんの方を見て、下半身に目が釘付けになり『確かに····』と思ってしまった。 「俺が言うのもアレだけどな、アイツは本気でやべぇ。頭もちんこのデカさもおかしい。逆らったら、よくわかんねぇけど痛い目みるのを肌で感じる」  八千代が言うくらいだから、相当ヤバいのだろう。どうヤバいのかは全く分からないが、ここは従った方が無難だという事になった。つまり、僕のお尻が犠牲になるしかないのだ。 「あのね、僕だってね、抱かれるの誰でもいいってわけじゃないんだよ?」 「······よし、物は試しだ。逆に一発、軽く脅してみるわ」  そう言うと、八千代はスタスタと瀬古くんの元へ歩み寄り、壁に追い込んだ。そして、顔面を殴るのかと思いきや、お得意の拳で壁ドンを繰り出す。  ドゴッという鈍い音を響かせ、コンクリートにヒビが入った。前々から思っていたが、八千代の壁ドンは威力がおかしい。  僕たちは、反射的にビクッと跳ねてしまった。 「お前、マジで結人の事抱く気か? 俺ら、一応ちゃんと恋人やってんだわ。ただの乱交パーティじゃねぇの」 「知ってる。お前と鬼頭が結人に絡んでるって、学校で噂になってるだろ。付き合ってるってんなら好都合だ。そこに俺も混ざりてぇ。俺もずっと武居の事好きだったんだ。····ダメか?」  首をコテンとして、王子がお強請りを始めた。八千代はどうにも、可愛らしいものに弱いらしい。  瀬古くんと共に僕らの元へ戻ってきて、こう言い放った。 「コイツも結人と付き合いてぇって。入学式ん時に一目惚れしたんだと。どうするよ。俺はどっちでも構わねぇけど」 「えぇ!? 俺らん時あんなにゴネたのに!? なんで朔だけ特別扱いなんだよ」 「そうだよ! つーか、まずはゆいぴの気持ちでしょ!? ゆいぴは····やっぱ嫌だよね? これ以上増えるなんて」 「僕は····えっと····そう──」 「武居、ダメか? 俺もお前が好きだ。可愛いトコも優しトコも真面目なトコも好きだ。お前の事、大事にしてぇし、守りてぇし、もっと色んなお前を見たいと思ってる」  すっと距離を詰めてくるや、片膝を着き下から覗き込むように懇願された。こんな事をされては、断るなんて僕には不可能だ。 「わわわ、わかったから! それ以上褒め殺さないで」 「よし。じゃ、下脱いでくれ」  何を隠そう、この一連の流れの間、ずっと勃っていたんだ。尋常じゃない集中力····。一度も萎えさせることなく、ギンッギンのままだ。  おずおず壁に手をついてお尻を向けると、それを僕の穴にピトッとくっつける。 「ふぇぇぇ····ひぅっ」 (待って待って! 入るの? それちゃんと入るサイズなの? 誰か助けてぇ······)  3人をチラッと見るが、流石に周囲を警戒していて僕の方を見てくれない。 「ん? ああ、拭いたのか。なら····」  瀬古くんは自分の指を、僕の口に突っ込んだ。僕の唾液で指を濡らすと、躊躇いなく穴を弄り始めた。 「流石にローションは持ち歩いてねぇからな。ちゃんと濡らさねぇと痛てぇだろ」 「なんで僕の口なのぉ····んぉ゙っ、かはっ····ふっ····待って、おっき····すぎ····入んない······んぐぅっ、苦し····」  瀬古くんの大きさに、ただただ驚くしかなかった。押し拡げられる感覚も、ナカを突き進んでくる感覚も、今までのそれとは桁違いの大きさだった。 「悪ぃ。ちょっと苦しいかも知んねぇけど、····頑張ってくれ」 (えぇぇぇぇ!? 頑張れって!? 無理だよこんな大きいの! 大きすぎない? 裂けてない? あー····ダメだ、これ、壊れる····やば、声出ない····) 「おい、息しろ。まだ動かねぇから、ちゃんと吸って吐け」 「んふっ····はぁっ····はっ、あっ····」  瀬古くんに頭を撫でられ、なんとか呼吸をすることが出来た。 「よし、息できたな。すぐイクから、ちょっとだけ耐えてくれな」 「んぎぃっ····ん゙あ゙あ゙ぁぁぁっ! ダメダメダメっ! 壊れちゃう! も゙っ、らめぇ····ひんっ、ん゙あ゙っ」 「あれ、大丈夫? 止めなくていいの?」  りっくんが、あわあわと取り乱しているしてる。が、意外と冷静な八千代がそれを宥める。 「大丈夫なんじゃね? アイツ、あれで顔めちゃくちゃトロけてんだろ。トンだら連れて帰る」 「問題は声だな。めっちゃ響いてるな····。にしても、結人はあんなエグい声出してても可愛いのな」 「ああ。終わったらすぐにズラかんぞ。俺が結人抱えるから、お前らは後始末な」 「「はーい」」  そうこうしているうちに、瀬古くんが僕のナカで盛大に達した。僕はもう、意識が朦朧としていて、立っている事さえ困難だった。  そんな僕を八千代が担ぎあげ、人目につかないように八千代の家へと向かった。  無事に八千代の家に着き、僕はなんとか自力でお風呂に入った。幸い、お尻も切れておらず、勿論壊れてもいない。凄く苦しかったのに、あの衝撃を思い出して少し熱くなった僕は、言い訳のしようがないスケベなんだと自覚した。  お風呂からあがると、瀬古くんが正座させられて囲まれていた。僕は、こっそりと扉の向こう側の話し合いを聞くことにした。 「お前、ホンットやり過ぎな。ゆいぴを大切にすんのが俺らのモットーなの!」 「それな。つーかお前のナニ、デカすぎな。結人が苦しそうだっただろ。加減っつーか、もっと解してやれよ」 「あれ以上、解しようがないだろ。お前らの後だったから、寧ろすんなり入ったぞ?」 「そうなの? まぁ、じゃぁそれはいいとして、今後についてだな」 「マジでお前も混ざるんか? この流れだと、そうなるんだろうけどよぉ」 「何か問題があるのか?」 「流石に3人と巨チン相手にしてたら、アイツの身体が持たねぇだろ」 「うーん····だよねぇ。これ以上ゆいぴに負担はかけらんないよね」 「だなぁ····けどまぁ、ここに居るのは皆、同志みたいなもんじゃん? 何とか皆で楽しく幸せに、かつ結人の負担にならねぇように考えねぇとな」 「お····もしかして俺、邪魔か?」 「そんな事ないよ! 邪魔だなんて、そんな風に思わない!」  瀬古くんの、自分を否定するような言葉に、思わず口を出してしまった。 「あがったんか。こっち来い。髪乾かしたる」 「うん。ありがと····」  八千代にブローしてもらっていると、瀬古くんがバツが悪そうに寄ってきた。 「武居、さっきは無理させて悪かった」  耳が垂れた仔犬のように、つぶらな瞳を潤ませている。 「ううん。えっと、き、気持ち良かったから大丈夫だよ」 「そうか。それなら良かった。お前、包容力があるんだな」  またも、破壊力バツグンの王子スマイルが僕を襲う。この笑顔を前に、太刀打ちする術など存在しないだろう。 「なぁ····、お前に負担はかけたくないんだけどな、俺としてはお前を諦めるっつーのも難しいんだ。だから、無茶はさせねぇから、俺とも付き合ってくれ」 「うっ····はい。不束者ですが、こちらこそ宜しくお願いします」  僕は熱くなった顔を伏せて、馬鹿みたいに丁寧に応えてしまった。 「それじゃ、友好の証に皆、俺の事は気軽に“さっくん”って呼んでくれ」 「「「「さっくん····」」」」 「なんだ?」  ふわっと微笑み、首をかしげて返事をしてくれた。嬉々とした王子スマイルが、キラキラ輝いて見えて眩しい。 「アホか。朔でいいわ。さっくんなんて、外で呼べるかよ」 「俺も今まで通り、朔でいいや」 「はは····。僕も朔の方が呼びやすいな」 「ゆいぴがそう言うなら、俺も朔でいいや」 「満場一致で朔か。“瀬古くん”よりかは親しみがあっていいな。皆、よろしくな」  こうして、朔が恋人になった。皆の許容範囲が広すぎで、もはや何でも有りな気がしてきた。

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